Lisa Larson Rundel
¥120,000
Lisa Larson(リサ・ラーソン)による、Rundel(ルンデル)シリーズの「Fågel」——釉薬バリアントです。
丸い窓に収まった、得意げな一羽
Rundelは、1960年代後半にリサがグスタフスベリのためにデザインした円形の壁掛けレリーフシリーズです。スウェーデン語で「円」を意味するその名の通り、まるい枠の中に蝶や花、小鳥といった身近な自然のモチーフが透かし彫りのように収められています。この「Fågel」は枝の上で片翼をふわりと持ち上げ、こちらに気づいてポーズをとってみせたような表情。透かしの向こうに光が抜けるつくりが、陶器であることを忘れさせる軽やかさを生んでいます。
定番にはならなかった色——釉薬テストが伝えるもの
Rundelシリーズの量産品は、深いブルーやグリーン、ブラウンといった落ち着いた釉薬で知られています。けれどこの一枚は、そのどれとも異なります。鳥の体にはくすんだオリーブイエローの光沢釉が薄くのり、円枠には赤みを帯びた鉄釉がざらりとまとわりついて、ふたつの釉薬が境目であいまいに溶け合っています。
グスタフスベリでは、新しい釉薬の配合を開発する際、釉薬研究室(glasyrlabb)が専用のテストピース(glasyrprov)を焼いて色や質感を検証していました。ただし単純な円筒形のテストピースでは、凹凸のあるフォルムの上で釉薬がどう流れ、どう発色するかまでは読み取れません。そのため、量産品と同じ型で成形した個体に実験的な釉薬を施し、立体的なフォルムの上での仕上がりを確かめることがありました。この一枚は、まさにそうした工程——量産型を使った釉薬テスト——から生まれたものと考えられます。
最終的にこの配色が定番カラーとして採用されることはありませんでしたが、だからこそ、この一枚にはリサとグスタフスベリの釉薬研究室が交わしていた対話の痕跡がそのまま残っています。量産品の均質な美しさとはまた違う、探求の途上にだけ現れる表情です。裏面にはグスタフスベリ社のラベルと「LISA LARSON」ラベルが残存しています。
作家: Lisa Larson(1931–2024)
シリーズ: Rundel(ルンデル)
作品名: Fågel(小鳥)——釉薬バリアント
メーカー: Gustavsberg
制作年代: 1966–1972年頃
素材: シャモット・ストーンウェア、施釉(非標準の実験釉)
サイズ: φ 約12cm
コンディション: 良好(Very Good)
良い状態です。目立つチップやヒビ、補修跡は見られません。釉薬面にわずかな経年の擦れがありますが、全体の印象を損なうものではありません。グスタフスベリ社ラベルおよび「LISA LARSON」ラベルが残存。シャモット素地特有の微細な凹凸やピンホールは焼成時に生じるもので、損傷ではありません。
SKU: 20240603g1/118 カテゴリー: ALL ITEMS, Lisa Larson, 北欧の陶板 , Bird, Lisa Larson Prototyp, lisa larson タグ: serial production
在庫1個
Lisa Larson(1931–2024)
“猫のマイキー”で知られるリサ・ラーソン──けれど世界では、自由な造形で評価されたスウェーデンを代表する陶芸家として語られています。



