Lisa Larson Unique Piece
¥300,000
リサ・ラーソン スタジオ・ユニーク ― Thaliaの原点となった一点もの花瓶
グスタフスベリ・スタジオ制作 推定1959–1960年頃
リサ・ラーソンがグスタフスベリ・スタジオで制作した一点もの(Unikat)の花瓶です。
量産された「タリア」シリーズ——4種の花瓶、1枚の壁掛け、1枚の鏡からなり、白いストーンウェアにマスタードイエローの釉薬と動物・人物のレリーフ装飾で知られるそのシリーズと同じ円筒形のフォルムを持ちながら、この作品はまったく異なる世界を見せています。
量産のThaliaが明るいマスタードイエローに可愛い鳥や鹿を配したのに対し、この花瓶は深いオリーブグリーンの光沢釉に包まれ、3つの面にそれぞれ表情の違う人物の顔が浮かんでいます。バイキングの兜をかぶった男、髭を蓄えた人物、豊かな髪を縁取る顔——どれも力強い線でのびのびと刻まれ、量産にはない自由さと即興性に満ちています。リサ・ラーソンにとって「バイキング」は繰り返し手がけたテーマのひとつであり、この花瓶はその初期の表現を宿している可能性があります。口縁にはリズミカルな手描きのパターンが巡り、古代北欧の工芸品のような趣を与えています。
内部には轆轤(ろくろ)の回転跡がはっきりと残っており、量産品の鋳込み成形(Gjutet)とは異なる手挽き成形であることが一目でわかります。底面にはグスタフスベリ・スタジオの「スタジオハンド」マークとリサ・ラーソン本人の署名「LISA L.」、そして数字「9299」が刻まれています。リサ・ラーソンのユニーク作品では、リサ・ラーソンのサインとグスタフスベリ・スタジオのハンドマークがはっきりと底面に確認されるのが特徴です。工場の「GUSTAVSBERG」スタンプは存在せず、これがスタジオでの手作りの一点ものであることを裏付けています。
なぜ「Thaliaの原点」と考えるのか——
ラーソンはグスタフスベリの「プレイハウス」と呼ばれるスタジオで、量産に選ばれる前の新しいモデルのアイデアや形をテストしていました。この花瓶は、その探索過程で生まれた実験的な作品——円筒形の器体にレリーフの顔を配置するという構想の原型——だったと推定されます。グスタフスベリ・スタジオ自体がヴィルヘルム・コーゲによって「美的実験室」として設立され、工場の量産ラインとは別にアーティストが自由に制作できる場でした。この一点ものから、よりマーケットに適した明るい色調と親しみやすいモチーフ(鳥・鹿)への変換が行われ、1960年に量産Thaliaが誕生したと考えるのは、グスタフスベリのデザイン開発プロセスに照らして自然な解釈です。
この作品は、量産品のデザインと並行してオリジナルのユニーク作品をも生み出すことができた、リサ・ラーソンの二面的な才能を示しています。量産のThaliaが「みんなのための器」だとすれば、このオリーブグリーンの一点は、同じフォルムからThaliaが生まれる前の――あるいは同時に存在した――「作家自身の器」。大量生産のアウトストラーダとは別の道、スタジオという「精神の自転車道」をラーソンが走った証です。
帰属: Unikat(スタジオ・ユニーク) / Thaliaシリーズの原型的スタジオ作品
アーティスト: リサ・ラーソン(Lisa Larson, 1931–2024)
制作場所: グスタフスベリ・スタジオ(Gustavsberg Studio)
推定制作年: 1959–1960年頃
素材: ストーンウェア(炻器)、オリーブグリーン光沢釉
成形: 手挽き(轆轤成形)
マーキング: スタジオハンドマーク+「LISA L.」署名+「9299」
※部屋に飾られている写真は、
SKU: 20171024g2/LU2 カテゴリー: ALL ITEMS, Lisa Larson, その他, Lisa Larson Unique Piece, Lisa Larson Prototyp, All Uniquepiece
在庫1個
Lisa Larson(1931–2024)
“猫のマイキー”で知られるリサ・ラーソン──けれど世界では、自由な造形で評価されたスウェーデンを代表する陶芸家として語られています。





