Lisa Larson Unique Piece
¥950,000
Lisa Larson(リサ・ラーソン)による、Larsons ungar(ラーソンの子どもたち)シリーズの「Lotta」——量産前プロトタイプです。
量産される前の、リサの手のぬくもりが残るロッタ
Larsons ungarは、1960年代にリサ自身が3人の子どもを育てるなかで生まれたシリーズです。毛布の上に座る赤ちゃんの仕草、膝を抱えた幼児の重心——小さな子どもの体がもつ独特のやわらかさとぎこちなさを、リサはそのまま土に写し取りました。ロッタはそのなかでも、ティーカップにちょこんと座った姿がなんとも愛らしい一体。てっぺんにお団子を結った頭がほんの少し傾いて、点だけの目と口が、何か言いたげな、でもまだ言葉にならないような表情をつくっています。
この子は、量産に入る前に焼かれたプロトタイプ(試作品)です。量産品のロッタをご存じの方なら、手に取った瞬間に気づくはず——ティーカップの花模様が、絵付けではなく、ひとつひとつ土から彫り起こされた立体のレリーフになっています。取っ手もくっきりと独立した造形。リサが最初に思い描いた「ロッタ」の姿が、簡略化される前のかたちで、そのまま残っています。
量産では残せなかったディテール、その理由
グスタフスベリの工場では、リサのオリジナルモデルを量産用の石膏型に「翻訳」する工程がありました。型抜きのしやすさ、焼成時の破損リスク、コスト——さまざまな現実的制約のもとで、造形は段階的に簡略化されていきます。このロッタの場合、立体的な花のレリーフは複雑な型割りを必要とし、繊細な取っ手は窯の中で折れるリスクがありました。結果として、量産品では花模様は手描きの絵付けに、取っ手はより一体化したシンプルな形に変更されています。
本品はまさに、その「翻訳」が行われる前の段階で焼成されたもの。底面には工場の標準的なスタンプ刻印ではなく、筆による手書きで「Gustavsberg」「Lotta」の文字が記されており、「LISA LARSON」の青い紙シールも残っています。釉薬の色調も量産品とはやや異なり、淡い水色のドレス部分には筆の跡がそのまま残る、実験的な仕上がりです。
リサはかつてこう語っています——「最高傑作はまだ作っていない」。いつも次の一体に向かう人でしたが、この試作のロッタには、まさにこれからシリーズが動き出そうとする瞬間の、静かな熱が宿っているように見えます。
作家: Lisa Larson(1931–2024)
シリーズ: Larsons ungar(ラーソンの子どもたち)
作品名: Lotta(ロッタ)
分類: 量産前プロトタイプ(Prototyp / Förlaga)
メーカー: Gustavsbergs porslinsfabrik
デザイン年: 1961年
量産品の生産期間: 1962–1979年
素材: シャモット・ストーンウェア(chamotterat stengods)、部分施釉・彩色
サイズ: H 約17.5cm
コンディション: 良好(Very Good)
目立つチップやヒビ、補修跡は見られません。釉薬の濃淡ムラや表面の微細な凹凸は、試作品ならではの手作業の痕跡であり、量産工程を経ていないことの証左です。底面に筆書きの記銘と「LISA LARSON」紙シールが残存。シャモット素地特有のピンホールは焼成時に生じるもので、損傷ではありません。
※部屋に飾られている写真は、
SKU: 20230310g5/LU1 カテゴリー: ALL ITEMS, Lisa Larson, フィギュア, Lisa Larson Unique Piece, Lisa Larson Prototyp, All Uniquepiece
在庫1個
Lisa Larson(1931–2024)
“猫のマイキー”で知られるリサ・ラーソン──けれど世界では、自由な造形で評価されたスウェーデンを代表する陶芸家として語られています。






