Åke Holm “Litografi 69”
¥32,000
水の上に浮かぶ小舟、網を操る一人の男。陶芸家Åke Holmが版画で描いた、静かな聖書の一場面です。
網を下ろすペテロ
舟に乗った髭を蓄えた男性が一人。舟の縁から水中へ網を下ろしている姿が、黒いシルエットで力強く表現されています。ペテロは元々ガリラヤ湖の漁師であり、Holmの陶芸作品においても「魚を手に持つ姿」や「網」がペテロを識別するシンボル(アトリビュート)として用いられてきました。
この場面は、ルカによる福音書5章の「奇跡の大漁」、あるいはヨハネによる福音書21章の「復活後のイエスとの再会」を想起させます。いずれの場面でも、ペテロは夜通し漁をしても何も獲れず、イエスの言葉に従って網を下ろすと大漁になる——という物語が語られています。
シンプルな色彩と力強い構図
画面は黒と淡い青緑の二色だけで構成されています。空と水面は同じ青緑色で、境界は水平の黒い線で示されるのみ。この簡潔な色彩が、かえって人物の存在感を際立たせています。
男性の顔には横縞模様が入り、髭を表現しているようです。床まで届く長いマントに包まれた重厚な体躯は、Holmの陶芸作品に見られる聖書のフィギュアと共通する特徴です。写実ではなく、人物の本質的な姿だけを捉える。Holmらしい様式化された表現です。
博物館メンバーのための限定版画
Åke Holmは44年間にわたりHöganäs博物館の理事を務めました。このリトグラフは、博物館の年間メンバーシップのために制作された限定版画の一つです。269点もの版画を制作し、その売上は博物館の増築資金となりました。
Holmは訪問者を避け、観光客への販売を好みませんでした。時にはスウェーデン国王にさえ販売を断ったという逸話が残っています。この版画は、そうした作家の作品が博物館という場を通じて、理解ある支援者の手に渡っていった証でもあります。
技法: リトグラフ(二色刷り)
エディション: 51/200
サイズ: 30.5×23 (cm)
サイン: 右下に「Å Holm」(鉛筆)
額装: ガラスフレーム、マット付き
状態: Very Good 良い状態です。
軽い経年感やスレがありますが、全体の印象を損なうものではありません。
SKU: 20241016a3 カテゴリー: ALL ITEMS, Åke Holm, 絵・イラスト・ポスター, Åke Holm Litograf, ake holm on タグ: art
在庫1個
Åke Holm (1900-1980)
スウェーデンの陶芸家で彫刻家。彼はHöganäsbolagetでの職を経て、自身の工房を1928年に開設しました。当初は不況を切り抜けるために土産物を作っていましたが、次第に芸術的な聖書の人物像や磁器の動物フィギュアを制作し始めました。彼の作品は1950年代から60年代にかけて聖書のモチーフが主流となり、そのスタイルは抽象的で洗練されたものに進化しました。世界的な名声は高まっていきましたが、彼は故郷Höganäsに留まることを選び、その作品の多くは地元Höganäs museumに寄贈されました。






