Åke Holm “Litografi 72”
¥32,000
黒い背景に浮かび上がる三つの白い人物。翼を広げた天使、そして裸のアダムとエバ。陶芸家Åke Holmが版画で描いた、聖書の物語の決定的な瞬間です。
物語としての聖書
Åke Holmは聖書をモチーフとした作品を数多く手がけました。ただし彼のアプローチは、信仰を伝えるための宗教画とは異なります。聖書の記述を忠実に再現するのではなく、その物語の中で起こる出来事に想像力を働かせる。Holmにとって聖書は、興味深い題材の宝庫でした。
この作品は「楽園追放」(創世記3章)を描いています。禁断の果実を食べたアダムとエバが、エデンの園から追い出される場面。左側には翼を持つ天使が、手に剣を握って立っています。神はケルビムと炎の剣を置いて、命の木への道を守らせたと記されています。
右側に立つエバは、木に向かって手を伸ばしています。もう一つの果実を取ろうとしているのか、それとも楽園との別れを惜しんでいるのか。その傍らのアダムは、少し困惑したような表情を浮かべています。Holmは深刻な場面をどこかユーモラスに、人間味をもって描き出しています。
素朴な造形
人物は簡潔な線で様式化されています。天使の大きな翼は重なり合う弧の連なりで表現され、装飾的なパターンを生み出しています。背景の木は枝だけのシルエット。写実ではなく、特徴的なものだけを捉えるHolm独自の眼差しです。
白黒の対比がはっきりとしたこの版画は、彼の陶芸作品に見られるテラコッタのフィギュア—大きな頭部、ユーモラスな表情—と通じる素朴な魅力を持っています。
博物館メンバーのための限定版画
Åke Holmは44年間にわたりHöganäs博物館の理事を務めました。このリトグラフは、博物館の年間メンバーシップのために制作された限定版画の一つです。269点もの版画を制作し、その売上は博物館の増築資金となりました。
Holmは訪問者を避け、観光客への販売を好みませんでした。時にはスウェーデン国王にさえ販売を断ったという逸話が残っています。この版画は、そうした作家の作品が博物館という場を通じて、理解ある支援者の手に渡っていった証でもあります。
技法: リトグラフ(多色刷り)
エディション: 94/250
サイズ: 36.5×26 (cm)
サイン: 右下に「Å Holm」(鉛筆)
額装: 木製フレーム、マット付き
状態:Very Good 良い状態です。軽い経年感やスレがありますが、全体の印象を損なうものではありません。
SKU: 20241028a1 カテゴリー: ALL ITEMS, Åke Holm, 絵・イラスト・ポスター, Åke Holm Litograf タグ: art
在庫1個
Åke Holm (1900-1980)
スウェーデンの陶芸家で彫刻家。彼はHöganäsbolagetでの職を経て、自身の工房を1928年に開設しました。当初は不況を切り抜けるために土産物を作っていましたが、次第に芸術的な聖書の人物像や磁器の動物フィギュアを制作し始めました。彼の作品は1950年代から60年代にかけて聖書のモチーフが主流となり、そのスタイルは抽象的で洗練されたものに進化しました。世界的な名声は高まっていきましたが、彼は故郷Höganäsに留まることを選び、その作品の多くは地元Höganäs museumに寄贈されました。






