Lisa Larson Unique Piece
¥250,000
Lisa Larson(リサ・ラーソン)のPOMONAシリーズの陶板、《PARON(洋ナシ)》の試作品です。
黒地に青を重ねた地釉は、縁ほど青が濃く、中央では下層の黒がわずかに透けて見える。どこまで覆うかを探るように塗り分けられており、そのため全体の印象に揺れが生じている。
洋梨の黄色は量産品よりも深く、部分的に褐色がにじみ、焼成の加減で表情が変わっています。白い花の釉薬は筆の勢いが残り、中央の黄色が溶け込んで境界が曖昧です。どの色も整いきらず、釉薬の選択や塗り方を探っていた跡が感じられます。
量産品に見られる艶やかな表面の均一さはまだなく、釉層の厚みが不均一なため、光の反射も落ち着きません。表面には細かな凹凸があり、最終の焼成条件や艶出しを決める前の段階と考えられます。
おそらくこの陶板は、形が定まったのち、色と質感の方向を見極めるために作られた一枚だったのでしょう。筆や釉薬の試行がそのまま表面に残り、作家と工房が量産へと歩み寄る途上での思考の痕跡を見せています。完成品が整った美しさを持つなら、この作品には、その前にあった「探っている時間」の手触りがあります。
ヒビや欠けもなく非常に良いコンディションです。
22×22(cm)
1974-79
SKU: 20240130g13/LU9 カテゴリー: ALL ITEMS, Lisa Larson, 北欧の陶板 , New Arrival, Lisa Larson Prototyp タグ: art
在庫1個
Lisa Larson(1931–2024)
“猫のマイキー”で知られるリサ・ラーソン──けれど世界では、自由な造形で評価されたスウェーデンを代表する陶芸家として語られています。




