Lisa Larson Rundel Unique Piece
¥90,000
Lisa Larson(リサ・ラーソン)による、Rundel(ルンデル)シリーズ「Fjäril」(蝶)の釉薬テストと考えられる試作品です。
金色の翅をまとった試作の蝶
量産品のFjärilを見たことがある方なら、この蝶の構図にはすぐ気づくはずです。左右対称に大きく翅を広げ、体の中心から触角をぴんと立てるあの姿。量産品では水色の枠の中に、黒い翅と赤い模様のコントラストで力強く仕上げられています。
本品は同じ石膏型から生まれた同じ蝶ですが、纏っている色がまるで違います。翅は全面をゴールドオーカーの釉薬が覆い、その表面には細かな貫入が走って、古い金箔のような質感を生み出しています。体と触角にはコバルトブルーが流れ、金と青の取り合わせが量産品の赤+黒とはまったく別の方向——どこか宝飾品のような格調を漂わせています。
窯が生んだラベンダーの枠
枠の色もまた、量産品の水色とは似ても似つかない仕上がりです。淡いラベンダーグレーにピンクの斑が浮かぶ、なんとも形容しがたい色合い。側面を見ると、青灰色からピンクへのグラデーションがゆるやかに移り変わっています。これは釉薬のレシピだけでなく、焼成時の窯内の雰囲気——酸素の量や温度の揺らぎ——が深く関わった色で、大量生産の窯で安定して再現することは難しい。量産に向かないからこそ、試作品だけに現れた一度きりの景色です。
グスタフスベリの釉薬研究室(glasyrlabb)では、量産化に先立って実際の製品形状の上でさまざまな釉薬の組み合わせをテストしていました。本品はまさにその工程で焼かれた一点——量産品と同じ型から鋳込まれたFjärilに、最終的には採用されなかった配色を施した釉薬テスト(glasyrprov)と考えられます。裏面中央に壁掛け用のワイヤーフックが取り付けられており、枠の内側エッジには無釉のシャモット素地が覗いています。
量産品のFjärilが水色と黒と赤で明快に語りかけてくる蝶だとすれば、この試作品は、金とラベンダーの中で静かにたたずむ蝶。同じ形でありながら、色彩が作品の性格をここまで変える——その事実自体が、釉薬テストという工程の意味を雄弁に物語っています。
作家: Lisa Larson(1931–2024)
シリーズ: Rundel(ルンデル)― 釉薬テスト(glasyrprov)と推定される試作品
作品名: Fjäril(蝶)
メーカー: Gustavsberg
制作年代: 1960年代後半(推定)
素材: ストーンウェア、施釉(ゴールドオーカー釉、コバルトブルー釉、ラベンダーグレー釉)
サイズ: 直径 約12cm
コンディション: 良好(Very Good)
良い状態です。枠の側面にごく微細なチップが1箇所あります。ゴールドオーカー釉の表面に貫入が見られますが、釉薬の特性によるもので損傷ではありません。枠の内側エッジに素地の露出がありますが、釉掛け時に生じるもので損傷ではありません。裏面中央に壁掛け用のワイヤーフックがあります。
※部屋に飾られている写真は、実際の作品写真をもとに生成AIで作成した展示イメージです。作品そのものの形状・質感・状態は、商品写真をご確認ください。
SKU: 20230303g7/LU12 カテゴリー: Lisa Larson, 北欧の陶板 , Christmas, Lisa Larson Prototype, All Uniquepiece, Glaze Variant
在庫1個
Lisa Larson(1931–2024)
“猫のマイキー”で知られるリサ・ラーソン──けれど世界では、自由な造形で評価されたスウェーデンを代表する陶芸家として語られています。




