Lisa Larson Unique Piece
¥2,200,000
ABC-flickor(ABCガールズ)— ユニークピース(Unikat)
Gustavsberg Studio
いつものシャルロッタより、少しだけ大人びた横顔
1958年、リサ・ラーソンはグスタフスベリで5人のふくよかな読書する女性たち——ABC-flickorna(ABCガールズ)を世に送り出しました。もともとブックエンドとして構想されたものの、中空のため軽すぎてその役目は果たせず。けれどそのおおらかな造形はスウェーデン中を虜にし、リサの名を「フォルクヘム(国民の家)」の隅々にまで届けた出世作となりました。
この一体は、シャルロッタと同じ「座って読書をする」ポーズを取りながら、量産された5人の誰とも違う顔をしています。すとんと切り揃えたショートボブ。伏せた睫毛の下の、静かな読書の時間。いつもの少女たちよりどこか落ち着いた、お姉さんのような気配が漂います。シリーズの原型(förlaga)として生まれたのか、それとも量産とは別にリサがスタジオで自由に変奏したアート版なのか——その出自には謎が残りますが、どちらであっても、リサ自身の手から直接かたちを与えられた世界に一点だけの存在であることに変わりはありません。
コバルトブルーの即興、リサの筆が踊る
最も目を引くのは、トップスに広がるコバルトブルーと白のジグザグ模様です。量産のABC-flickorは赤や金、ベージュといった暖色系の手描き装飾が定番ですが、この一体だけは鮮やかなブルーの世界。筆致は奔放で、正面と背面で模様の表情が少しずつ変わっていきます。絵付師のための見本ではなく、リサ自身がその場の感覚で筆を走らせたことが伝わってくる即興の装飾です。
素地はリサの代名詞であるシャモット入りストーンウェア。肌や手元は無釉のまま、シャモット特有のざらりとした土肌がそのまま活かされています。スカートと髪には暗褐色の釉薬。量産品に見られる型の継ぎ目や工場刻印はなく、底面にはグスタフスベリのオリジナル紙製ラベルのみが残っています。不整形な底面と空気抜きの穴が、型ではなく手びねりで成形されたことを静かに物語っています。
リサはかつてこう語っていました。「ユニーク作品の制作は、量産の制約から離れて自由に表現できる、私にとっての息抜きだった」と。この一体には、まさにその自由な呼吸がそのまま閉じ込められています。
作家: Lisa Larson(1931–2024)
シリーズ: ABC-flickor(ABCガールズ)— ユニークピース
メーカー: Gustavsberg Studio
制作年代: 1950年代後半〜1960年代(推定)
素材: シャモット・ストーンウェア、部分施釉(コバルトブルー、暗褐色)
サイズ: H 19cm
マーキング: グスタフスベリ紙製ラベル残存、刻印なし
コンディション: 良好(Very Good)
目立つチップやヒビ、補修跡は見られません。経年による釉薬面のわずかなスレが見られますが、約60年以上前のユニークピースとして良好な状態です。シャモット素地特有の微細な凹凸やピンホールは焼成時に生じるもので、損傷ではありません。底面に手びねり成形に伴う空気抜きの穴があります。
※部屋に飾られている写真は、
SKU: 20240524g2/LU4 カテゴリー: ALL ITEMS, Lisa Larson, フィギュア, Lisa Larson Unique Piece, Lisa Larson Prototype, All Uniquepiece, Original Studio Piece
在庫1個
Lisa Larson(1931–2024)
Swedish ceramist, Gustavsberg Studio 1954–1980.
Known for animal figurines and unique stoneware sculptures.
私たちが知っているリサ・ラーソンは、量産品のリサ・ラーソンです。
けれど製品になる前──手びねりの原型、試された色、
実現しなかった夢のかたちの中にこそ、
陶芸家としての素顔が眠っています。










