Lisa Larson Unique Piece
¥300,000
Lisa Larson(リサ・ラーソン)による、Thaliaシリーズの原型となったユニークピースのボウルです。
洞窟壁画からテーブルへ——Thaliaの原風景
Thaliaは、1960年にデザインされたリサのテーブルウェアシリーズです。マスタードブラウンの温かな釉薬の上に、鳥や牛たちがリムをぐるりと行進する——リサらしい愛嬌に満ちたシリーズとして長く親しまれてきました。
けれどもこの一点は、そのThaliaが量産ラインに乗る前に、リサのスタジオで彼女自身の手から生まれた原型です。裏面に「LISA L.」のサインとスタジオハンドマークが手で刻まれており、グスタフスベリ・スタジオで制作されたリサのオリジナル作品であることを証しています。
リムを巡るモチーフを見てください。量産品のThaliaでリムを行進するのは、キャラクター化された可愛い動物たちです。しかしこの原型では、動物はまだ「動物」にはなっていません。放射状に広がる太陽のような形、三角形の連鎖、小さな粒の集合体——それらはまるで古代の洞窟壁画や岩絵に描かれた記号のような、原始的で力強いモチーフです。ひとつひとつが異なる形をしていて、どれも繰り返しのパターンに収まることを拒んでいるかのよう。量産化にあたって、リサはこのプリミティブな記号の世界を、親しみやすい動物たちのパレードへと「翻訳」していったのでしょう。Thaliaの量産品にどこか壁画的な空気が残っているのは、この原型に宿る原初的な力の名残なのかもしれません。
量産品が纏わなかった色
色の世界もまったく異なります。Thaliaのトレードマークであるマスタードブラウンと白のコントラストはどこにもなく、胴部はブルーグレーの静かな釉薬に包まれています。シャモットの粒子が表面に微かな斑点を散らし、リムは素地の土肌をそのまま見せながら、溝に入り込んだ褐色の釉薬だけがモチーフを浮かび上がらせる。量産品の明快さとは対照的な、沈黙のような美しさです。
量産のThaliaが「可愛い」なら、この原型は「美しい」。リサが最初に手のなかで思い描いた、Thaliaの原風景がここにあります。
作家: Lisa Larson(1931–2024)
シリーズ: Thalia(原型/ユニークピース)
作品名: ボウル
メーカー: Gustavsberg(グスタフスベリ・スタジオ)
制作年代: 1960年頃
素材: シャモット・ストーンウェア、部分施釉
サイズ: φ約17cm × H約8cm
コンディション: 美品(Excellent)
とても良い状態です。チップやヒビ、補修跡は見られません。裏面に「LISA L.」の手彫りサインおよびスタジオハンドマークあり。シャモット素地特有の微細な凹凸やピンホールは焼成時に生じるもので、損傷ではありません。
※部屋に飾られている写真は、
SKU: 20240621g1/LU3 カテゴリー: ALL ITEMS, Lisa Larson, その他, Lisa Larson Unique Piece, アートボウル, Lisa Larson Prototype, All Uniquepiece, Original Studio Piece
在庫1個
Lisa Larson(1931–2024)
Swedish ceramist, Gustavsberg Studio 1954–1980.
Known for animal figurines and unique stoneware sculptures.
私たちが知っているリサ・ラーソンは、量産品のリサ・ラーソンです。
けれど製品になる前──手びねりの原型、試された色、
実現しなかった夢のかたちの中にこそ、
陶芸家としての素顔が眠っています。









