Rut Bryk “Kannu ja sitruuna”
¥1,300,000
Rut Bryk(ルート・ブリュック)の陶板作品、 “Kannu ja sitruuna=水差しとレモン” です。
ルートが世界的に成功するきっかけとなった「鋳込み成型(スリップ・キャスティング)」という新しい技法、その技法を用いた陶板が1950年に初めてアルテック・ギャラリーで発表されました。その発表作品の一つが”Kannu ja sitruuna=水差しとレモン”です。タピオ・ヴィルッカラと結婚し、子供が生まれ、その翌年に家族で「子供の頃からの夢だった」イタリアを訪れることが出来た、ルートにとってそんな幸福感溢れる時期に制作されたものです。子ども時代に過ごした夏の思い出、そのカレリア地方の建物、大好きなイタリア美術など、自らが経験し感じたことをインスピレーションの源とするルートがこの時期に、食卓に並ぶ果物をモチーフとして選んだことは実に自然と言えます。ルートの作品の中で最も身近で温かいモチーフです。
作品は翌年の1951年にミラノ・トリエンナーレで出品され、最上位賞のグランプリを獲得しました。これによりルートのみならず、フィンランドの芸術・工芸が世界に注目されるようになりました。
細かなダメージのあるものが多い陶板ですが、こちらは希少な完品です。ダメージが作品の評価、価格に大きく反映されますので、コレクターの方におススメしたいコンディションの逸品です。
ルートはそれぞれの作品に異なる釉薬や文様を施し、一つとして同じ作品を作らなかったため、こちらも唯一のものとなります。
1950
23.5×43.5×1.5 (cm)
『ルート・ブリュック 蝶の軌跡』 P86
『Rut Bryk』Espoo Museum of Modern Art P96
『Rut Bryk』DESUGNMUSEO P66,67
在庫1個