Lisa Larson Unique Piece
¥550,000
鳥たちの姿は量産品と同じ型をもちながら、そこに流れる色がまるで異なります。背景から浮かび上がるのは深い緑。羽や胸の文様には赤が差し込まれ、釉が溜まった縁には褐色がにじむ。筆の跡や釉の流れがそのまま残り、部分ごとに光の反射が変わります。背面は粗く緑で覆われ、印やサインは入っていません。工房で釉薬の反応を確かめるために焼かれた一枚と見られます。
量産品では白地を残し、青と茶で整えられた対比が特徴ですが、この陶板では全面を釉で覆うことで、土と釉の反応そのものを観察しています。焼成の温度や塗布の厚みを変えながら、透明層の中で赤がどのように発色するか——その検証の跡が画面全体に広がっています。サインを持たない点からも、量産前の釉薬実験段階に位置づけられるでしょう。
同じ《Fåglar》でありながら、この作品には、完成品にはない開かれた試みの痕跡が残ります。均整を求める前の段階にしか生まれない偶然の調和があり、工房の時間と手の探究が、静かにその表面に刻まれています。
表面の剥がれなどがあるため価格に反映させています。
22×22×2.5 (cm)
1962-67
SKU: 20230120a4/61 カテゴリー: Lisa Larson Prototyp, ALL ITEMS, Lisa Larson, 北欧の陶板 , Gustavsberg, Lisa Larson Unique Piece, Bird タグ: art Brand: Gustavsberg
在庫1個
Lisa Larson(1931–2024)
“猫のマイキー”で知られるリサ・ラーソン──けれど世界では、自由な造形で評価されたスウェーデンを代表する陶芸家として語られています。




