Åke Holm “FISKARFAMILJEN”
¥150,000
Åke Holm(オーケ・ホルム)による大皿(Fat)作品です 。ホルムは聖書を主題とした重厚な彫刻作品で知られますが、1950年代から60年代にかけて、故郷Höganäs(ヘーガネス)の土を使い、物語性に富んだ数々の大皿も生み出しました 。
本作に描かれているのは、ホルムがそのキャリアを通じて繰り返し探求した重要なモチーフの一つである「漁師」です 。彼の作品において「漁師」は、単なる労働の姿を超え、聖書の中心人物である「漁師ペテロ(Petrus fiskaren)」と深く結びついています 。ホルムにとってペテロは「生涯を通じて伴にした、仲間のような存在」であり 、その姿は「信仰と人間の労働というテーマ」を象徴していました。
この大皿の制作技法は、彫刻家であった彼ならではの独創性を示しています。ろくろを挽くことを好まなかったホルムは、タタラ作り(板状にした粘土)の技法を用い、粘土板をドーム状の石膏型にかぶせることで、この大きく不規則な丸みを持つフォルムを生み出しました 。素材には、彼の作品に力強い質感を与えるシャモット(chamotte)を混ぜた炻器(stengods)の粘土が用いられています 。
装飾の技法もまた独特です。通常行われる素焼きを経ず、乾燥した粘土の上に直接、水気を含んだ大胆な筆遣いで描かれています 。重厚な暗色の下地釉の上に象牙色の白で人物像を浮かび上がらせ、コバルトブルーでディテールを強調するその手法は、主題に劇的な表情を与えています 。
このモダンで力強い描画スタイルは、しばしばパブロ・ピカソ(Pablo Picasso)の陶芸作品からの影響も指摘されますが、ホルムはそれを独自に昇華させ、「力強く、民衆的な自然描写家」として、誰にも模倣できない芸術世界を確立しました 。故郷の土と炎を用い、人間の労働と信仰という普遍的なテーマを深く掘り下げた、アーケ・ホルムの芸術の真髄に触れることができる一点です。
ヒビや欠けもなく良好なコンディションです。
27.5×28 h5 (cm)
1950s
オーケ・ホルムの作品を年代順に把握することはかなり難しいです。
彼の作品は日付けがつけられておらず、彼自身も制作年代について具体的なことを語るのを避けるためです。
シリーズごとにおおよその年代は分かりますが、後年に過去の手法を用いて作ることもあるため、特定は困難です。
SKU: 20230513a2/70 カテゴリー: ALL ITEMS, スタジオピース, Åke Holm, Åke Holm Fat タグ: art
在庫1個
Åke Holm (1900-1980)
スウェーデンの陶芸家で彫刻家。彼はHöganäsbolagetでの職を経て、自身の工房を1928年に開設しました。当初は不況を切り抜けるために土産物を作っていましたが、次第に芸術的な聖書の人物像や磁器の動物フィギュアを制作し始めました。彼の作品は1950年代から60年代にかけて聖書のモチーフが主流となり、そのスタイルは抽象的で洗練されたものに進化しました。世界的な名声は高まっていきましたが、彼は故郷Höganäsに留まることを選び、その作品の多くは地元Höganäs museumに寄贈されました。



