Åke Holm “Fågel”
¥75,000
Åke Holm(オーケ・ホルム)による、鳥をモチーフとしたテラコッタ(terrakotta)の壁掛けレリーフ(Relief)です。
素材は、彼がキャリア初期の1930年代に多用した、無釉の赤土(lergods)が用いられています。素焼きの土が持つ素朴で温かな質感が、作品の魅力を深くしています。ホルムは、聖書を主題とした重厚な彫刻作品で知られていますが、同時に、本作のような平面的なレリーフ制作にも熱心に取り組みました。この技法において、彼は彫刻的な造形感覚と、優れた素描の技術とを巧みに融合させています。
描かれているのは、一羽の鳥です。そのフォルムは写実的な描写から一歩進み、様式化されています。ホルムは1940年代以降、特に鳥のフィギュアにおいて極度な単純化を試みていきますが 、このレリーフにもその片鱗がうかがえます。全体のシルエットと主要な線を巧みに捉え、簡潔ながらも生命感のある姿を浮き彫りにしています。
作品に見られる「Å Holm」という署名は、彼が1928年に自身の工房を設立して独立した後に使用した刻印の一つです。彼が1930年代に聖書主題のテラコッタ彫刻に精力的に取り組むかたわら 、こうした動物や自然をモチーフにした作品も手がけていたことがわかります。後年、1950年代から60年代にかけて、彼は鳥のモチーフをさらに抽象化していきますが 、本作はその探求の初期段階を示すものとも言えるでしょう。
聖書の厳粛なテーマを探求する一方で、こうした身近なモチーフに見られる柔らかな表現は、彼の芸術の幅広さを示しています。土という素材の特性を熟知し、それを平面的なレリーフへと昇華させた、ホルムの確かな技術が感じられる貴重な作品です。
ヒビや欠けもなく良好なコンディションです。
14×15 (cm)
オーケ・ホルムの作品を年代順に把握することはかなり難しいです。
彼の作品は日付けがつけられておらず、彼自身も制作年代について具体的なことを語るのを避けるためです。
シリーズごとにおおよその年代は分かりますが、後年に過去の手法を用いて作ることもあるため、特定は困難です。
在庫1個
Åke Holm (1900-1980)
スウェーデンの陶芸家で彫刻家。彼はHöganäsbolagetでの職を経て、自身の工房を1928年に開設しました。当初は不況を切り抜けるために土産物を作っていましたが、次第に芸術的な聖書の人物像や磁器の動物フィギュアを制作し始めました。彼の作品は1950年代から60年代にかけて聖書のモチーフが主流となり、そのスタイルは抽象的で洗練されたものに進化しました。世界的な名声は高まっていきましたが、彼は故郷Höganäsに留まることを選び、その作品の多くは地元Höganäs museumに寄贈されました。




