Åke Holm “Nimrod”
¥450,000
Åke Holm(オーケ・ホルム)による、生命の躍動感あふれる壁掛けの飾り皿です。彼の作品世界の中核をなす聖書の物語、その中でも旧約聖書に登場する力強い狩人「ニムロデ(Nimrod)」を主題とした、ダイナミックな狩猟の情景が描かれています。
馬上で両腕を広げる人物の姿は、まさに狩りの高揚感を捉え、その足元を駆ける犬と空を舞う鳥が、画面全体にリズミカルな動きを生み出しています。ホルムの代名詞ともいえる、鋳鉄(järn)を思わせる重厚なマット釉を背景に、大胆な線描が浮かび上がり、人物の衣服や馬具に配された鮮やかな青い釉薬が、静謐な色調の中で美しいアクセントとして輝きます。
ホルムは、彫刻家として知られる一方で、これらの飾り皿では平面における卓越した構成力も示しました。素材にはシャモット(chamotte)を混ぜ込んだ土が用いられ、そのざらついた質感が、神話的な主題にふさわしい、素朴で地に足のついた力強さを与えています。彼は聖書の物語を忠実に再現するのではなく、それを人間の普遍的な営みや自然との関わりを表現するための「共通言語」として用いました。この作品は、まさにその創作姿勢を象徴する一品と言えるでしょう。
この飾り皿が、元はテーブルの天板として考案されながら、窯の炎の中で芸術作品として生まれ変わったというユニークな背景を持つ可能性も、その物語に一層の深みを加えています。彫刻的な力強さと絵画的な表現力が融合した本作は、故郷ヘーガネス(Höganäs)の土を愛し、そこに根差した普遍的な物語を紡ぎ続けたアーケ・ホルムの芸術世界を雄弁に物語っています。
48×43 (cm)
1950-60s
オーケ・ホルムの作品を年代順に把握することはかなり難しいです。
彼の作品は日付けがつけられておらず、彼自身も制作年代について具体的なことを語るのを避けるためです。
シリーズごとにおおよその年代は分かりますが、後年に過去の手法を用いて作ることもあるため、特定は困難です。
SKU: 20241218a1/soto2 カテゴリー: ALL ITEMS, 北欧の陶板 , Åke Holm, Åke Holm Wall Plate, Åke Holm Unique Piece タグ: art
在庫1個
Åke Holm (1900-1980)
スウェーデンの陶芸家で彫刻家。彼はHöganäsbolagetでの職を経て、自身の工房を1928年に開設しました。当初は不況を切り抜けるために土産物を作っていましたが、次第に芸術的な聖書の人物像や磁器の動物フィギュアを制作し始めました。彼の作品は1950年代から60年代にかけて聖書のモチーフが主流となり、そのスタイルは抽象的で洗練されたものに進化しました。世界的な名声は高まっていきましたが、彼は故郷Höganäsに留まることを選び、その作品の多くは地元Höganäs museumに寄贈されました。
【自身の工房で一人で作り続けた作品は全て一点物となっています】