
“土と静けさのあいだで生まれたかたち。”
I. 受賞歴
Awards and Recognition
シルヴィア・レウショヴィウスの作品は、その革新性と詩的な造形により、国内外で高く評価されてきました。以下は、特に重要な受賞歴です。
1954年|ミラノ・トリエンナーレ 銀メダル
イタリア・ミラノで開催された第10回トリエンナーレにて、独創的な陶芸作品が国際的な注目を集め、銀メダルを受賞。キャリア初期における重要な国際的成果となりました。
1971年|スカーラボリ県文化奨学金(スウェーデン)
地域文化への貢献と長年の芸術活動が認められ、文化奨学金が授与されました。
1973年|エルヴスボリ県文化奨学金(スウェーデン)
芸術家としての評価が国内でも確立され、再び文化奨学金を受賞しています。
II. 主要展覧会歴
Selected Exhibitions
レウショヴィウスはロールストランド社の代表的アーティストとして、国内外の重要展覧会に多数参加。以下に主要な出品歴を記します。
1950年代
ロールストランド社の一員として、スウェーデン内外で約40の展覧会に参加。アメリカやヨーロッパ各地でも作品を発表しました。
1954年|ミラノ・トリエンナーレ(イタリア)
第10回展に出品し、銀メダルを受賞。
1950年代後半|Form i Centrum 展(ストックホルム)
スウェーデン工芸協会主催の重要なデザイン展。ヘルタ・ヒルフオンらとともに参加。
1959年|ヴィクトリア&アルバート博物館展(ロンドン)
ロールストランドの他アーティストと共に出品。英メディアから「スウェーデン陶芸の新たな魅力」と高評価を受けました。
1960年|北欧陶芸展(ニューヨーク)
現代北欧陶芸の紹介展に参加し、「粘土と色彩による詩」と評されました。
1962年|ストックホルム個展
ロールストランド社の新設展示ホールで初の個展を開催。陶板作品や独自のフォルムによる器が注目されました。
1968年頃|「北欧の陶芸とテキスタイル」展(京都国立近代美術館)
日本で開催された北欧工芸展にセラミック彫刻や壺作品を出品。
1976年|ストックホルム個展/ロールストランド創立250周年展
テーブルウェア「Sylvia」シリーズが発表され、記念展にて展示。ロールストランド博物館もこの年に開館しました。
III. パブリックコレクション
Public Collections
その芸術性と資料的価値により、レウショヴィウスの作品は以下の美術館や公共機関に収蔵・展示されています。
美術館・博物館
スウェーデン国立美術館(ストックホルム)
陶芸作品を所蔵。
ロースカ美術館(ヨーテボリ)
作品に加え、貴重なスケッチ資料「Keramikritningar」も収蔵。
リアン・デザインミュージアム(ファルケンベリ)
花瓶作品《FMU.08182》《FMU.08183》を所蔵。DigitaltMuseumにも掲載。
ロールストランド博物館(リドショーピング)
「Sylvia」シリーズなどを含む常設コレクションを構成。
ノルデンフェルスケ応用美術館(トロンハイム、ノルウェー)
現在はノルウェー国立美術館(Nasjonalmuseet)の一部として継承。
アメリカ国内の美術館(詳細未公開)
渡米作品が複数の公共機関に収蔵されている記録あり。
公共施設における装飾作品
トレレード図書館(ヨーテボリ)
陶製レリーフを設置。
クングスラドゥゴード学校(ヨーテボリ)
教育施設の壁面に陶壁作品を制作。
リドショーピング病院(スウェーデン)
医療空間への装飾陶板を提供。
芸術的評価
レウショヴィウスは、装飾性と詩的構成を両立させた数少ない作家のひとりです。機能主義が支配的だった北欧デザインの中で、独自の色彩とレリーフによって、「焼かれて立ち上がる詩」のような作品を生み出しました。