FRANCESCA MASCITTI-LINDH
¥700,000
この小さな“家”のオブジェは、フランチェスカ・マシッティ=リンドが得意とする「素朴なフォルム」と「土の質感」がよく活かされた作品です。ざらりとした屋根や壁面、青や緑の釉薬(ゆうやく)の色むらからは、自然の風合いと少し古代的な雰囲気が伝わってきます。煙突のように突き出たパーツや、小さな窓の開口部が控えめな遊び心を添えつつも、全体としては静かで落ち着いた印象が特徴的です。
イタリアとフィンランド、二つの文化的ルーツをもつリンドは、土が持つ力強さを大切にした独自の陶芸を追求してきました。この作品でも、やわらかなフォルムを軸に、部分的に錆びたような色合いをあえて残すことで、長い時間を経た建物が持つような温もりを表現しています。素朴でありながらほのかに詩情を感じさせる仕上がりは、日常とアートをつなぐリンドの魅力をよく映し出しているといえるでしょう。
17×24 T6 (cm)
1961-65
在庫1個
SKU: 20230111a1/57 カテゴリー: ALL ITEMS, Arabia, スタジオピース, Francesca Mascitti-Lindh, francesca d タグ: art ブランド: ARABIA
Francesca Mascitti-Lindh (1931–)
イタリアとフィンランド、二つの文化的背景を持つ陶芸家です。アラビア社で長年にわたり活躍し、草花や鳥など自然を題材とした有機的で素朴な作品を多数制作しました。地中海的な装飾性と北欧的な静謐さを融合させた作風が特徴で、“知られざる巨匠”とも呼ばれています。国内外の美術館に作品が収蔵され、その革新的な技術も高く評価されています。近年では再評価の動きも進んでいます。