Stig Lindberg Unique Piece Fisk
¥1,300,000
丸みを帯びた流線形のからだに、深い青釉が澄んだ水のように広がります。背には細かな刻み、胴には鱗を思わせる窪みが一面に刻まれ、光を受けて濃淡が生まれます。その表情は静かな造形美でありながら、どこかユーモラスな温かさを漂わせています。
この魚は、1940年代にリンドベリが示した「馬」と同じ流れの作品と考えられます。当時、彼は陶芸における自由な造形を追求し、抽象と具象のあわいを探っていました。しかし重要なのは、どれほど大胆に形を崩しても、彼の作品には常に「可愛らしさ」が宿ることです。写実を削ぎ落としつつも魚にしか見えない存在感があり、さらに見る者を自然と惹きつける親しみやすさが加わる。そこにリンドベリの天性のポップさが光ります。
リアルさと愛らしさを兼ね備えたこの一点は、同時代の前衛的な試みにもかかわらず、多くの人に受け入れられる普遍的な魅力を放っています。芸術性と親しみやすさを両立させたリンドベリの才能を、改めて感じさせてくれる作品です。
ヒビや欠けもなく非常に良いコンディションです。
H12 W23.5(cm)
1940s
在庫1個
Stig Lindberg(1916-1982)
ストックホルムのKONSTFACK(現在の国立芸術工芸デザイン大学)を卒業後、1937年にGUSTAVSBERGの アートディレクターWILHELM KAGE(ウィルヘルム・コーゲ)に並外れた才能を見抜かれアシスタントとしてその輝かしいキャリアをスタート、1949年にWILHELM KAGEの後任アートディレクターとなり1980年まで所属。活躍の場は陶芸だけにとどまることなくテキスタイルや絵本のイラスト、トランプ、プラスティック製品、そして日本においては西武百貨店の包装紙をデザイン、1957年から1972年までは母校であるKONSTFACKの主任講師として指導にあたる等、幅広い分野で溢れんばかりの才能を発揮しました。独創的で遊び心溢れるデザインは現在もなお人々を魅了しています。