リサの言葉
毎朝、目が覚めて”今日も一日陶芸ができるんだわ”と思うの。それが一番の幸せね
- リサ・ラーソンのアート作品リサ・ラーソンは、量産された動物フィギュアで広く知られていますが、それだけではありません。彼女はグスタフスベリ社の自由な制作環境に恵まれ、そこで自身の感性に従ったユニークピースを数多く生み出しました。量産品の動物フィギュアは多くの人々に愛され、大成功を収める一方で、アトリエでは生産や売り上げに縛られることなく、独創的で深みのあるアート作品を創作しました。このような環境のおかげで、リサ・ラーソンは自分のアーティスティックな資質を伸ばし続け、量産品とは異なる彼女ならではの多彩な作品を生み出していったのです。
- 感情を込めて創り出された作品リサ・ラーソンは「作品を作るとき、私は感情のままに手を動かす」と語っています。その時々の彼女の感情が作品に深く刻み込まれており、それが作品の魅力となっています。1959年から1961年にかけて、彼女が母となった際に制作された代表作「母の像」シリーズでは、母親としての愛情や子どもへの想いが丁寧に表現されています。リサ・ラーソンの作品は、その瞬間ごとの感情が反映されているからこそ、人々の心を惹きつけるのです。彼女の作品を通して、リサの内面に触れることができる—それが彼女の作品の最大の魅力です。
- より複雑で、より深みのある表現量産品とは異なり、ユニークピースには製作工程による制限がありません。そのため、形態はより有機的で、色彩やラインにも深みと繊細なニュアンスが表現されています。平坦な陶板でありながら奥行きのある立体的な作品を生み出したり、時にはコラージュや彫刻と呼べるような作品まで制作しています。 また、リサ自身が「動物よりも人を作るのが一番好き」と語っているように、人物の内面までも深く表現した人物像は、ユニークピースならではの魅力となっています。
- 辛口な評論家も認めたリサのエッチング装飾愛らしさでまとまりすぎていると評価されがちだったリサ・ラーソンのフィギュア。しかし、その評価を一変させたのが、彼女のユニークピースである花瓶や深皿、大皿です。これらの作品は、控えめな絵柄や部分的に施された釉薬、そしてエッチング装飾を特徴とし、これまでのリサの作風とは異なる重厚な芸術性を備えた作品群となっています。 リサはこの技法を駆使して、シンプルでありながらも奥深い表現を実現し、これまで彼女の作品を批判していた辛口の評論家たちからも高い評価を得ることになりました。
- 丸っこくて愛らしいだけがリサの作風ではありませんこれまで見てきたように、リサの作品は可愛いものばかりではありません。時には万人受けはしないような激しい作品も作り上げています。例えば、パリの学生運動のスローガン「想像力で世界を変えよう」に触発されたリサが作成していった陶板作品は、非常に力強く、鮮やかな色合い、イマジネーション溢れる仕上がりとなっています。
Faq
ユニークピースについてのよくあるご質問
ユニークピースとは、作家自身の手によって制作された、世界にたった一つだけの特別な作品を指します。この言葉は英語の “unique”(唯一の)と “piece”(作品)から成り立っており、その名の通り、他に同じものが存在しない唯一無二の作品を意味します。
量産品とは異なり、販売を目的とした商品制作ではないため、作家の個性や創造性がそのまま反映されている点が特徴です。荒々しさや繊細さなど、作家ごとの感性が際立ち、高いアート性が魅力となっています。また、同じものが他に存在しないという唯一無二の価値も、ユニークピースならではの特長です。
以前の持ち主については、非常に多岐にわたります。例えば、当時の展示会で作品を購入したコレクターや、リサの家族や友人、さらにはGustavsbergでリサと共に働いていた同僚などが挙げられます。また、時にはスウェーデンのオリンピック選手や有名な歌手など、意外な人物が所有していたケースもあり、驚かされることがあります。
はい、可能です。当ギャラリーでは、美術館に展示されるような質の高い作品を取り扱っています。実際、「個人蔵」と記載された美術館の展示品の多くは、個人コレクターやギャラリーからの寄贈品や貸与品です。また、私たちは時に美術館と同じ作品の取得を競うこともあり、選び抜かれたコレクションをご提供しています。美術館クラスの作品をご自宅でお楽しみいただけるよう、ぜひ当ギャラリーのオンラインショップをご覧ください。
リサ・ラーソンが現在ほど有名になるずっと前の約20年前から作品の収集を始めました。当時、スウェーデンでもリサの作品集が出版されるほどの人気がありましたが、ユニークピースと量産品を区別することはまだ一般的ではありませんでした。私たちは初期からアート性の高い作品を中心に集めてきたため、次第にそれらがユニークピースであることが明らかになりました。長年にわたる継続的な収集活動により、多くの作品を集めることができ、現在もまだ多くの未紹介作品を保持しています。この豊富なコレクションは、私たちがユニークピースを見極めて集め続けてきた結果です。
Gustavsbergでは、アーティストの独自の活動を奨励しつつ、売上の確保も重要視していました。そのため、ユニークピースの中から売れそうなものを選び、量産品として商品化していきました。これらの量産品のデザインの元となるものが「試作品(プロトタイプ)」です。
量産化に際しては、生産の効率化を図るためにデザインをシンプルにし、幅広い層に受け入れられるように可愛らしく仕上げることが多くありました。その結果、元のユニークピースが持つ繊細さや荒々しさといった特徴が失われることがありました。
一方で、アートを愛する方々がユニークピースを支持する理由は、作家の個性が強く表現された独自のデザインにあるためです。ユニークピースは、量産品にはない独自の魅力と高いアート性を持ち続けています。
アートの世界では、贋作の存在は避けられないものです。しかし、北欧のアート作品に関しては、エドヴァルド・ムンクのような世界的に有名な作家を除き、贋作が確認されることはほとんどありません。その理由は、北欧のアートマーケットがまだ贋作が出回るほど大きくないためです。そのため、作家の特徴を模倣したり、作品を古く見せるための加工を施したりするような、意図的に人を欺く贋作は現在のところ存在していません。
しかしながら、注意が必要なのは、作品や作家の説明を誤っている販売店が多いという点です。実際に、リサ・ラーソンの作品ではないものが、彼女のユニークピースとして販売されているケースも見受けられます。アートやアンティークの作品をお探しの際は、専門性の高い信頼できるギャラリーやショップでお求めになることをおすすめいたします。