Åke Holm “Europa och Tjuren”
¥150,000
Åke Holm(オーケ・ホルム)が手がけた大皿(Fat)作品です。彼の作品群の多くは旧約聖書を主題としていますが 、この大皿は例外的にギリシャ神話の物語「エウロパと雄牛」に着想を得て制作されました。
ゼウスが化身した雄牛によって王女エウロパが海を渡る情景が、オーケ・ホルム独自の解釈で描かれています。彼はキャリアの初期、1930年代から40年代にかけて同主題のテラコッタ彫刻も制作しており、このモチーフへの関心の深さがうかがえます。
素材には、彼の故郷であるHöganäs(ヘーガネス)の土、とりわけ焼成済みの陶片を混ぜ込んだシャモット(chamotte)を多用した粘土が用いられています。轆轤(ろくろ)挽きではなく、粘土の板をドーム状の石膏型にかぶせて成形する技法により、完全な円ではない、わずかな歪みを持つ有機的なフォルムが生み出されました。
乾いた素地(きじ)の表面に、大胆かつ流麗な筆遣いで直接装飾が施されています。重厚な鉄釉を思わせる暗褐色の下地と、雄牛の部分に施された緑がかった釉薬の鮮やかな対比が、神話のワンシーンを幻想的に浮かび上がらせています。
こうした大皿作品群の様式には、同時代に南仏ヴァロリスで陶芸制作に取り組んだパブロ・ピカソ(Pablo Picasso)からの影響も指摘されており、オーケ・ホルムの国際的な芸術的視野を感じさせます。
作品の裏面には、作家自身による「Åke Holm」の署名が明確に刻まれています。
ヒビや欠けもなく良好なコンディションです。
27.5×27 h4 (cm)
1950s
オーケ・ホルムの作品を年代順に把握することはかなり難しいです。
彼の作品は日付けがつけられておらず、彼自身も制作年代について具体的なことを語るのを避けるためです。
シリーズごとにおおよその年代は分かりますが、後年に過去の手法を用いて作ることもあるため、特定は困難です。
在庫1個
Åke Holm (1900-1980)
スウェーデンの陶芸家で彫刻家。彼はHöganäsbolagetでの職を経て、自身の工房を1928年に開設しました。当初は不況を切り抜けるために土産物を作っていましたが、次第に芸術的な聖書の人物像や磁器の動物フィギュアを制作し始めました。彼の作品は1950年代から60年代にかけて聖書のモチーフが主流となり、そのスタイルは抽象的で洗練されたものに進化しました。世界的な名声は高まっていきましたが、彼は故郷Höganäsに留まることを選び、その作品の多くは地元Höganäs museumに寄贈されました。




