Åke Holm Bowl 11cm
¥90,000
Åke Holm(オーケ・ホルム)の卓越した釉薬技術を静かに物語る一点です。彼は聖書を主題とした重厚な彫刻で知られますが、キャリアを通じて少数ながら古典的な器も手がけました。
本作の魅力は、その複雑で深みのある釉薬の表情に集約されます。酸化鉄を基調とした茶褐色の濃淡が重なり、まるで兎の毛皮を思わせる繊細な景色は「harpälsglasyrer」とも呼ばれます。これは、成分の異なる釉薬を何層にも筆で重ね、窯の中の炎と化学反応を緻密に計算することで生み出される、ホルムが得意とした表現です。
彫刻作品とは異なる静謐な佇まいの中に、彼が追い求めた「正しいオブジェのための、正しい釉薬」という哲学が凝縮されています。特に、彼の釉薬表現が最も豊かであった、ルールファブリーケン(Rörfabriken)での焼成を行っていた時代の特色を色濃く反映した作品です。
ヒビや欠けもなく良いコンディションです。
φ11 h8 (cm)
オーケ・ホルムの作品を年代順に把握することはかなり難しいです。
彼の作品は日付けがつけられておらず、彼自身も制作年代について具体的なことを語るのを避けるためです。
シリーズごとにおおよその年代は分かりますが、後年に過去の手法を用いて作ることもあるため、特定は困難です。
在庫1個
Åke Holm (1900-1980)
スウェーデンの陶芸家で彫刻家。彼はHöganäsbolagetでの職を経て、自身の工房を1928年に開設しました。当初は不況を切り抜けるために土産物を作っていましたが、次第に芸術的な聖書の人物像や磁器の動物フィギュアを制作し始めました。彼の作品は1950年代から60年代にかけて聖書のモチーフが主流となり、そのスタイルは抽象的で洗練されたものに進化しました。世界的な名声は高まっていきましたが、彼は故郷Höganäsに留まることを選び、その作品の多くは地元Höganäs museumに寄贈されました。
【自身の工房で一人で作り続けた作品は全て一点物となっています】