Åke Holm Bowl 19.5cm
¥125,000
Åke Holm(オーケ・ホルム)による、静かで深い思索を感じさせる鉢です。彼は聖書を主題とした彫刻でその名を知られますが、キャリアの後期には、本作のように釉薬そのものの美しさを追求した、古典的な器も手がけています。
薄く挽かれた端正なフォルムは、彼が研究した東洋陶磁からの影響も感じさせます。深く落ち着いた緑色のマット釉が器全体を覆い、見込み(内側)は吸い込まれるような濃色を呈しており、静かなコントラストを生み出しています。
この均質で滑らかな釉薬の質感は、1969年にルールファブリーケン(Rörfabriken)が閉鎖された後、彼が自身の工房の電気窯での焼成へと移行した晩年の作風を特徴づけるものです。この変化により、彼の釉薬はそれまでの生命感あふれる多色的なものから、より単色に近く、洗練された表情へと進化しました。力強い彫刻作品とは対照的に、本作は鑑賞者に静かな対話を促すような、ホルムの芸術における静謐な側面を伝える一点です。
ヒビや欠けもなく良いコンディションです。
φ19.5 h7 (cm)
オーケ・ホルムの作品を年代順に把握することはかなり難しいです。
彼の作品は日付けがつけられておらず、彼自身も制作年代について具体的なことを語るのを避けるためです。
シリーズごとにおおよその年代は分かりますが、後年に過去の手法を用いて作ることもあるため、特定は困難です。
在庫1個
Åke Holm (1900-1980)
スウェーデンの陶芸家で彫刻家。彼はHöganäsbolagetでの職を経て、自身の工房を1928年に開設しました。当初は不況を切り抜けるために土産物を作っていましたが、次第に芸術的な聖書の人物像や磁器の動物フィギュアを制作し始めました。彼の作品は1950年代から60年代にかけて聖書のモチーフが主流となり、そのスタイルは抽象的で洗練されたものに進化しました。世界的な名声は高まっていきましたが、彼は故郷Höganäsに留まることを選び、その作品の多くは地元Höganäs museumに寄贈されました。