Åke Holm Skål 26cm
¥180,000
Åke Holm(オーケ・ホルム)による鉢(Skål)です 。彼の代名詞である、旧約聖書を主題とした重厚な彫刻作品群とは明確に趣を異にし、その作風の多様性を示す希少な一点と言えます。
資料によれば、ホルムは「国際的な視野を持ち、自身の路線を外れることなく、様々な様式を試み」た芸術家でした 。彼は生涯を通じて「新しいフォルムや色彩を試み」る探求心を持ち続けており 、本作は、彫刻という主流の仕事とは別に、器という形式で絵画的な表現を探求した、そうした試みの一つとして捉えることができます。形状は、彼がキャリア初期に習得した轆轤(ろくろ)を用いて成形されたと考えられます。素材は炻器(stengods)と思われ、淡い灰色の地に細かな鉄点が浮かび上がる素朴な肌合いは、彼が彫刻にも好んで用いたシャモット(chamotte)を含む土の質感とも共通しています 。
鉢の内側には、ホルムの自由画の素養 を感じさせる、伸びやかな筆遣いで模様が描かれています。釉薬には、資料にも言及があるような「青、緑、灰色といったアースカラー」 が用いられ、リズミカルな点描で葉のようなモチーフが表現されています。ホルムは「正しいオブジェの正しい場所に、正しい釉薬を施す」ための深い知識を有していました 。本作は、彼が彫刻作品で見せた厳粛な世界観とは対照的な、穏やかで装飾的な側面を示す貴重な作例です。底面には「Å・Holm」の署名が確認できます 。
ヒビや欠けもなく良いコンディションです。
φ26 h9 (cm)
オーケ・ホルムの作品を年代順に把握することはかなり難しいです。
彼の作品は日付けがつけられておらず、彼自身も制作年代について具体的なことを語るのを避けるためです。
シリーズごとにおおよその年代は分かりますが、後年に過去の手法を用いて作ることもあるため、特定は困難です。
在庫1個
Åke Holm (1900-1980)
スウェーデンの陶芸家で彫刻家。彼はHöganäsbolagetでの職を経て、自身の工房を1928年に開設しました。当初は不況を切り抜けるために土産物を作っていましたが、次第に芸術的な聖書の人物像や磁器の動物フィギュアを制作し始めました。彼の作品は1950年代から60年代にかけて聖書のモチーフが主流となり、そのスタイルは抽象的で洗練されたものに進化しました。世界的な名声は高まっていきましたが、彼は故郷Höganäsに留まることを選び、その作品の多くは地元Höganäs museumに寄贈されました。







