Åke Holm “Fågel” 34cm
¥300,000
Åke Holm(オーケ・ホルム)が1950年代から1960年代にかけて精力的に制作した、大皿(Fat)シリーズを代表する一点です。
当時のスウェーデンの新聞、スヴェンスカ・ダーグブラーデット(Svenska Dagbladet)紙は、動物をモチーフにした彼の楕円の大皿を見て「ピカソだ!」と叫ぶかもしれないが、それは断じてピカソではなくオーケ・ホルムなのだ、と評しています 。この記事が示すように、本作には同時期に南フランスのヴァロリス(Vallauris)で作陶していたパブロ・ピカソ(Pablo Picasso)からの影響も見て取れますが、ホルムはそれを独自に昇華させています 。彼は、故郷であるHöganäs(ヘーガネス)を離れることを好みませんでしたが、自身の力強く型にはまらない独自性を保ちつつ、国際的な芸術の最新動向にも通じていた稀有な独学の芸術家でした。
本作に描かれているのは、彼が聖書の物語と並んで好んで取り上げた「動物の世界」のモチーフである鳥たちです 。ホルムは自身の大皿を、このような表現力豊かな絵や場面で満たし、それらが器と一体となった調和の取れた装飾を形成しました。この豊かで不規則な楕円のフォルムは、ろくろを必ずしも得意としなかったホルムが独自に発展させた技法によって生み出されています 。彼は、シャモット(chamotte)を混ぜたルールファブリーケン(Rörfabriken)産の粘土をタタラに伸ばし、それをドーム状の石膏型にかぶせて成形しました 。装飾は、素焼きをしていない乾いた粘土の表面に、大胆かつ水気を含んだ筆遣いで直接施されています 。暗い下地釉の上に象牙色の白で鳥の姿を描き出し、その輪郭やディテールを印象的なコバルトブルーで強調するという手法は、彼の大皿作品に共通する特徴です 。
ホルムの生き生きとした造形感覚と、鉢状の丸みを帯びた表面に描くという非常に難しい技術を彼が完全に習得していたことを、この大皿は雄弁に物語っています 。
ヒビや欠けもなく良いコンディションです。
φ34 T5.5 (cm)
1950-60s
オーケ・ホルムの作品を年代順に把握することはかなり難しいです。
彼の作品は日付けがつけられておらず、彼自身も制作年代について具体的なことを語るのを避けるためです。
シリーズごとにおおよその年代は分かりますが、後年に過去の手法を用いて作ることもあるため、特定は困難です。
在庫1個
Åke Holm (1900-1980)
スウェーデンの陶芸家で彫刻家。彼はHöganäsbolagetでの職を経て、自身の工房を1928年に開設しました。当初は不況を切り抜けるために土産物を作っていましたが、次第に芸術的な聖書の人物像や磁器の動物フィギュアを制作し始めました。彼の作品は1950年代から60年代にかけて聖書のモチーフが主流となり、そのスタイルは抽象的で洗練されたものに進化しました。世界的な名声は高まっていきましたが、彼は故郷Höganäsに留まることを選び、その作品の多くは地元Höganäs museumに寄贈されました。






