Åke Holm “Litografi 64”
¥32,000
澄んだ青空の下、腕を伸ばして遠くを指し示す長老と、その言葉に耳を傾ける二人の人物。
「アブラハムとロト」
この作品は「アブラハムとロトの別れ」(創世記13章)を描いていると考えられます。
アブラハムと甥のロトは、それぞれの家畜が増えすぎて同じ土地に住み続けることができなくなりました。アブラハムはロトに言います。「どうか私と争わないでくれ。この土地はすべて目の前にある。左に行くなら私は右に、右に行くなら私は左に行こう」。ロトは目を上げ、水の豊かなヨルダンの低地を選び、そちらへ向かいました。
画面左の大きな人物は、髭をたくわえ、重厚なマントをまとっています。腕を水平に伸ばし、遠くの方角を指し示すその姿は、甥に土地を選ばせる長老アブラハムの寛大さを感じさせます。右側の二人は、ロトとその妻でしょうか。うつむき加減で、指し示された方向を見つめています。
Holmは聖書を信仰のためではなく、興味深い題材として選びました。聖書の記述に忠実であるよりも、物語の出来事に想像力を働かせる。この作品でも、教訓を伝えるのではなく、別れの瞬間に立ち会う人々の姿が素朴に描かれています。
様式化された造形
人物はシルエットのように単純化されています。顔の細部は省かれ、髭と輪郭線だけで人物が表現されています。背景の枯れ木も、装飾的というより記号的。こうした様式化は、Holmの陶芸作品にも通じる特徴です。彼は写実ではなく「特徴的なものだけを捉える」眼差しで、聖書の登場人物たちを造形しました。
青一色の背景が印象的です。グラデーションのない、均一な空の青。その静けさが、別れという出来事の重みを静かに伝えています。
博物館メンバーのための限定版画
Åke Holmは44年間にわたりHöganäs博物館の理事を務めました。このリトグラフは、博物館の年間メンバーシップのために制作された限定版画の一つです。269点もの版画を制作し、その売上は博物館の増築資金となりました。
Holmは訪問者を避け、観光客への販売を好みませんでした。時にはスウェーデン国王にさえ販売を断ったという逸話が残っています。この版画は、そうした作家の作品が博物館という場を通じて、理解ある支援者の手に渡っていった証でもあります。
技法: リトグラフ
エディション: 70/250
サイズ: 33×26(cm)
サイン: 右下に「Å Holm」(鉛筆)
額装: 木製フレーム、マット付き
状態: Very Good 良い状態です。
軽い経年感やスレがありますが、全体の印象を損なうものではありません。
SKU: 20241013a11 カテゴリー: ALL ITEMS, Åke Holm, 絵・イラスト・ポスター, Åke Holm Litograf タグ: art
在庫1個
Åke Holm (1900-1980)
スウェーデンの陶芸家で彫刻家。彼はHöganäsbolagetでの職を経て、自身の工房を1928年に開設しました。当初は不況を切り抜けるために土産物を作っていましたが、次第に芸術的な聖書の人物像や磁器の動物フィギュアを制作し始めました。彼の作品は1950年代から60年代にかけて聖書のモチーフが主流となり、そのスタイルは抽象的で洗練されたものに進化しました。世界的な名声は高まっていきましたが、彼は故郷Höganäsに留まることを選び、その作品の多くは地元Höganäs museumに寄贈されました。






