Åke Holm Wall Plate 43cm
¥400,000
Åke Holm(オーケ・ホルム)によって制作された陶製の壁掛け飾り皿(レリーフ)です。彼の芸術活動が円熟期を迎え、聖書主題の探求と並行して国際的なモダニズムの潮流にも目を向けていた、1950年代から1960年代の作風を色濃く反映しています。
作品の画面は、二つの異なる表現領域によって印象的に構成されています。左側に描かれているのは、簡潔かつ力強い線刻で描かれた、様式化された人間の横顔です。資料によれば、ホルムは同時期、アフリカの仮面や、パブロ・ピカソ(Pablo Picasso)に代表されるヨーロッパの芸術家たちの作品からインスピレーションを得て、ポートレート(肖像)をより単純化・様式化していきました。この顔の表現には、その影響が明確に表れています。
対照的に、右側を占めるのは、具体的な物語性を持たない、鋭角的でありながら有機的な抽象フォルムです。鮮やかなコバルトブルーの釉薬が厚く施され 、強烈な視覚的アクセントを生み出しています。
本作の最大の特徴は、この「様式化された具象(顔)」と「純粋な抽象(フォルム)」という、当時のモダンアートを象徴する二つの異なる表現言語が、一つの作品世界に見事に同居している点にあります。これらのモチーフを受け止めるのは、ホルムがそのキャリアを通じて得意とした、シャモット(chamotte)を混ぜ込んだ、荒々しく力強い土の質感です 。背景に施された、鋳鉄(järn)を思わせるマットな暗色の釉薬 が、顔の素朴な線描と鮮烈な青の釉薬を、互いに引き立て合わせています。
聖書の物語を生涯の主題とした「孤高の陶芸家」として知られるホルムですが 、本作は彼が同時に、同時代の国際的な芸術思潮にも敏感に反応し、自身の造形言語を貪欲に探求していた知的な側面を静かに物語る、貴重な作例と言えるでしょう。裏面には彼の手による「Å Holm」の署名が刻まれています。
ヒビや欠けもなく良好なコンディションです
43×38.5 (cm)
1950-60s
オーケ・ホルムの作品を年代順に把握することはかなり難しいです。
彼の作品は日付けがつけられておらず、彼自身も制作年代について具体的なことを語るのを避けるためです。
シリーズごとにおおよその年代は分かりますが、後年に過去の手法を用いて作ることもあるため、特定は困難です。
在庫1個
Åke Holm (1900-1980)
スウェーデンの陶芸家で彫刻家。彼はHöganäsbolagetでの職を経て、自身の工房を1928年に開設しました。当初は不況を切り抜けるために土産物を作っていましたが、次第に芸術的な聖書の人物像や磁器の動物フィギュアを制作し始めました。彼の作品は1950年代から60年代にかけて聖書のモチーフが主流となり、そのスタイルは抽象的で洗練されたものに進化しました。世界的な名声は高まっていきましたが、彼は故郷Höganäsに留まることを選び、その作品の多くは地元Höganäs museumに寄贈されました。




