Åke Holm Wall Plate
¥400,000
深い茶褐色のマット釉を背景に、漁師の夫婦が肩に棒を担ぎ、その中央に魚の入った網を吊るして立っています。簡潔な線と抑えた色数で描かれながら、二人の姿には静かな誇りと力強さが宿ります。
漁師──ホルムが繰り返し描いた人間の原型
左の男性は帽子をかぶり細身の脚で踏ん張るように立ち、右の女性はふくらみのあるスカートに深いコバルトブルーをまとっています。二人の肩にかかる一本の棒、そこからぶら下がる魚の詰まった網が、画面の中心をしっかりと繋いでいます。ホルムにとって漁師は単なる労働者の姿ではなく、使徒ペテロにも通じる、人間の根源的な営みの象徴でした。男女それぞれの衣服や装飾品──ネックレスや裾の模様──が、簡素な線描のなかにも物語の奥行きを生んでいます。
シャモットの土とマット釉が支える素朴な力
背景の茶褐色は酸化鉄系のマット釉で、ざらついたシャモット入りの土肌がところどころ透けて見えます。人物の肌色にあたる部分は土そのものの色味を活かし、衣服のコバルトブルーとの対比が画面に奥行きを与えています。壁掛け飾り皿というフォーマットの上で、彫刻的な存在感と素描の自由さが一つになった、ホルムらしい仕事です。左下には署名が確認でき、釉薬の質感や様式化された人体表現から、1950年代以降の制作と考えられます。
マット釉の重厚さと青のアクセント
背景の暗褐色マット釉はざらりとした質感を持ち、シャモットを混ぜた土の粗さがそのまま表面に現れています。騎手の衣服と馬具には深い青の釉薬が配され、渋い色調の中で鮮やかなアクセントになっています。馬と人物はベージュ系の釉薬による大胆な線描で表現され、彫刻家であるHolmの造形感覚が平面の上でも存分に発揮されています。なお、Holmはヘガネス社傘下のスクロムベルク工場から耐火タイルを入手し、釉薬で装飾してテーブルの天板として制作することもありました。焼成中にタイルが反って天板に使えなくなると、裏面に金具を取り付けて壁掛け作品に仕立て直したといいます。本作の裏面にも同様の金具が残っており、そうした経緯をたどった一枚かもしれません。
作家: Åke Holm(1900-1980)
制作年: 推定1950〜60年代
素材: 耐火タイル、炻器釉
技法: 筆による釉薬絵付け
サイズ: W48 × 43 cm
署名: 陶板中央「Åke Holm」
コンディション: 良好(Very Good)
縁に年代相応の小さな欠けが見られますが、画面本体には影響がなく、作品としての印象を損なうものではありません。
Åke Holmの作品年代について
オーケ・ホルムの作品を年代順に把握することはかなり難しいです。彼の作品は日付けがつけられておらず、彼自身も制作年代について具体的なことを語るのを避けるためです。シリーズごとにおおよその年代は分かりますが、後年に過去の手法を用いて作ることもあるため、特定は困難です。
SKU: 20240520a1/soto2 カテゴリー: ALL ITEMS, スタジオピース, 北欧の陶板 , Åke Holm, Åke Holm Fat, ake holm on
在庫1個
Åke Holm (1900-1980)
スウェーデンの陶芸家で彫刻家。彼はHöganäsbolagetでの職を経て、自身の工房を1928年に開設しました。当初は不況を切り抜けるために土産物を作っていましたが、次第に芸術的な聖書の人物像や磁器の動物フィギュアを制作し始めました。彼の作品は1950年代から60年代にかけて聖書のモチーフが主流となり、そのスタイルは抽象的で洗練されたものに進化しました。世界的な名声は高まっていきましたが、彼は故郷Höganäsに留まることを選び、その作品の多くは地元Höganäs museumに寄贈されました。






