BÖRJE SKOHG Wall Plate
¥90,000
これは何だろう──この作品を前にしたとき、私たちは素朴な問いへと誘われます。葉脈を思わせる軽やかな線は植物の気配を感じさせますが、画面中央に置かれた力強い黒い塊は、その解釈を静かに保留させます。
それはまるで、子供が対象から受けた純粋な印象を、理屈や技巧を抜きにしてそのまま描き出したかのようです。写実的な正しさや説明的な描写から解放され、ただ感覚だけがそこにある。私たちがここに植物のイメージを読み取り、そこに違和感を覚えないのだとしたら、それは作家の意図と私たちの記憶が静かに共鳴したからなのかもしれません。
スコーグが写し取ろうとしたのは、目に見える風景そのものではなく、心の中に残り、やがて内側から立ち上がってくる「かたち」そのものだったのでしょう。答えを探すのではなく、自らの感覚との対話を楽しむ。そんな抽象画の原点とも言える喜びを、この一枚は教えてくれます。
ヒビや欠けもなく良好なコンディションです
1986
23×23 (cm)
在庫1個
Börje Skohg (1923-2006)
グスタフスベリに在籍し、師ヴィルヘルム・コーゲから受け継いだ銀彩技法を独自に発展させた陶芸家。一点ものの作品制作にこだわり続けたため、その名は広く知られていません。ゆえに、残された作品は極めて希少なアートピースとして、静かな輝きを放っています。