BÖRJE SKOHG Wall Plate SOLD OUT!
もし、植物が持つ生命の根源的な力をありのままに描き出すとしたら、それはこのような姿で現れるのかもしれません。私たちは花に対して、優しさや儚さ、彩りの美しさといったイメージを抱きがちですが、この作品はそうした一般的な装飾性とは異なる視点を提示します。静寂を思わせる深い黒の素地に浮かび上がるのは、溶岩のような質感を持つ銀彩で描かれた一輪の花。繊細な花びらではなく、大地に根を張る骨格のような力強いフォルムがそこにあります。削り取られたかのような荒々しいテクスチャは、表層的な美しさの奥に秘められた、生命の確かな手触りを感じさせます。これは単に花の姿を写した絵ではなく、生命の有り様そのものを捉えた、静かな肖像画と言えるでしょう。作家の主観を抑えたその佇まいは、対象が持つ揺るぎない力を鑑賞者にまっすぐに伝えます。スコーグの観察眼が、常に生命の本質に向けられていたことを感じさせる一点です。
ヒビや欠けもなく良好なコンディションです。
1971
47.5×22.5 (cm)
Börje Skohg (1923-2006)
グスタフスベリに在籍し、師ヴィルヘルム・コーゲから受け継いだ銀彩技法を独自に発展させた陶芸家。一点ものの作品制作にこだわり続けたため、その名は広く知られていません。ゆえに、残された作品は極めて希少なアートピースとして、静かな輝きを放っています。