Gunnar Larson
¥95,000
スコーネの空は、どこまでも明るく、広い。
木々の影が濃く沈むのは、その光が澄んでいるから。
グンナル・ラーソンが描き続けたのは、家族とともに過ごした夏の風景でした。スウェーデン南部・スコーネ地方。ひらけた丘と、ゆるやかな起伏がつづくその土地は、リサや子どもたちと滞在する、特別な季節の場所でした。
ある夏の日、まだ幼かった息子マティアスと絵の具を持って出かけたこともありました。隣に並び、同じ空を見上げながら、それぞれの画用紙に風景を写す──それがマティアスにとっての最初の「アートレッスン」だったといいます。
画面に描かれているのは、たんなる風景ではありません。そこには光の記憶があり、風の通り道があり、家族と過ごした静かな時間が滲んでいます。絵に言葉はありませんが、見つめていると、あの時の空の広さがそのまま立ち上がってくるようです。
画家のまなざしと、家族の時間が重なり合う──そんな一枚です。
この作品は、ヴィンテージのオリジナル・リトグラフです。限定275部中の97番。版画特有の穏やかなにじみと揺らぎが、風景のやわらかさを際立たせています。
「リトグラフ」は、水と油の反発を利用して刷られる伝統的な版画技法で、グンナルはこの手法を用いて、筆の気配や空気感までも紙の上にとどめようとしました。
ダメージもなく非常に良い状態です。
51×71 (cm)
97/275
在庫1個
グンナル・ラーソン(1925-2020)
画家、彫刻家、デザイナーとして多彩な才能を発揮したスウェーデンの芸術家です。妻であるリサ・ラーソンの芸術活動において「最大のメンター」であり、精神的な支柱でもありました。
ストックホルムとヨーテボリで絵画を学び、特に前衛芸術家エンドレ・ネメスに師事した経験は、彼の作風に大きな影響を与えています。グスタフスベリ社ではリサと共にデザイナーとして活躍し、公共彫刻も数多く手掛けました。その作品は、抽象と具象の間を自由に行き来し、常に色と光の魔法を探求するような知的な探究心に満ちています。二人のアトリエは、互いの才能を認め、高め合う創造の場でした。