Lisa Larson Unique Piece
¥550,000
Lisa Larson(リサ・ラーソン)による、Unikシリーズ《Fåglar》(鳥)の壁掛け陶板──量産前の試作品(プロトタイプ)です。
量産品になる前の、工房だけが知っていた色
1960年代初頭、グスタフスベリではリサがデザインした壁掛け陶板が大人気でした。このFåglar(鳥)も1961年にデザインされ、翌年から長く量産された定番モチーフです。2羽の鳥が小花に囲まれて上下に並ぶレリーフは、量産品ではおなじみの白地に青と茶の配色で知られています。
ところが本品は、それとはまるで別の表情をしています。熟した琥珀のような黄橙色が陶板の全面を染め、鳥の羽には深い焦げ茶と、ところどころに覗く緑青。量産品では見ることのない色彩です。釉薬は筆の跡をそのまま残し、溜まったり流れたり、整えることを目的としていない自由な表情。これは、量産に移る前にグスタフスベリの釉薬研究室で行われた、釉薬と素材の組み合わせを探るテストピースです。いわば、工房の実験台の上だけに存在していた一枚です。
量産品とはすべてが異なる、試作品ならではの手がかり
手に取るとまず、その厚みと重みに気づきます。量産品の厚さが約1.2cmであるのに対し、本品は2.5cm。倍以上の差があります。量産品のように石膏型で鋳込み成形されたのではなく、それ以前の段階で別の方法で成形されたことを意味しています。
背面まで黄橙色の釉薬がぐるりと回り込んでいる点も、「白地を活かして部分的に施釉する」量産品の仕様とは根本的に異なります。側面から素地を覗くと、量産品の白いストーンウェアではなく、赤褐色の粘土が顔を見せています。配合そのものが違うのです。サインやスタンプ、ラベルの類は一切なし。商品として世に出す前の段階で生まれた一枚であることを、静かに物語っています。
レリーフの形状そのものは量産品と同じ原型(modell)から生まれたもの。デザインは確定していたけれど、どんな土にどんな釉薬をかけるか──その最適解を探っていた段階の作品です。窯から出てきたときの、あの息をのむような橙色の発色が、そのまま封じ込められたような一枚です。
作家: Lisa Larson(1931–2024)
シリーズ: Unik ── 量産前試作品(Prototyp)
作品名: Fåglar(鳥)壁掛け陶板
メーカー: Gustavsberg
制作年代: 1962年前後(量産開始前〜初期)
素材: 赤褐色ストーンウェア(量産品の白色ストーンウェアとは異なる配合)、全面施釉(黄橙・焦げ茶・緑青)
サイズ: 約22×22×2.5 cm
マーキング: サイン・スタンプ・ラベル なし
コンディション: 難あり品(Fair)
側面の釉薬にはがれ・スレが見られます。上鳥の翼部分に釉薬の白抜け(焼成時の釉薬剥離と思われる)があります。試作品という性質上、釉薬の溜まりや流れ、筆跡の残り、背面の不均一な施釉は損傷ではなく、テストピースとしての本来の特徴です。
※部屋に飾られている写真は、
SKU: 20230120a4/61 カテゴリー: All Uniquepiece, ALL ITEMS, Lisa Larson, 北欧の陶板 , Gustavsberg, Lisa Larson Unique Piece, Bird, Lisa Larson Prototyp Brand: Gustavsberg
在庫1個
Lisa Larson(1931–2024)
“猫のマイキー”で知られるリサ・ラーソン──けれど世界では、自由な造形で評価されたスウェーデンを代表する陶芸家として語られています。





