Michael Schilkin
シルキンは、クマ、ネコ、鳥、猿など多彩な動物をモチーフに選びましたが、単に姿を模倣するだけでなく、動物が持つ特徴を誇張しながらユーモラスに表現しました。例えば、クマの像では丸みを強調し、あどけない表情を与えることで親しみやすさを引き出し、ネコの像には、その気まぐれで高貴な性格を表現する曲線が取り入れられています。しかし、当時は「芸術的に軽すぎる」という批判も受けました。
現代の再評価と抽象的な可愛さの価値
EMMA(エスポー近代美術館)での展示を通じ、シルキンの作品は再評価されています。彼の後期の抽象的で可愛らしい作品は、当時批判された「軽さ」が現代ではむしろ価値とみなされ、自由な造形美として評価が高まっています。これにより、具象表現の制約にとらわれない彼の作品は、今日の芸術基準において新たな注目を集めています。
技法と釉薬の美学
シルキンの作品において、釉薬の使用は重要な要素です。このネコの彫刻では、青みがかったグレーの釉薬が柔らかく塗布され、焼成による自然な色のにじみが独特の美しさを生み出しています。しかし、この釉薬は非常に扱いが難しく、焼成中の割れによって多くの作品が破棄されました。またシルキンは自身が満足できない作品を容赦なく破棄するため、完成品は限られており、結果として作品の希少性が高まっています。
入手困難な理由
ミハエル・シルキンの作品は、制作当初から国内外で非常に高い需要があり、現在も入手が困難です。彼の作品は、ストックホルムのNordiska Kompaniet(NK)百貨店で特別展示され、傑作は同百貨店のコレクションに加えられるなど、一般市場に流通することがほとんどありませんでした。また、フィンランドやイタリアの美術館が展覧会後に作品を買い取り、多くの作品が美術館に収蔵されたことも、流通の機会を減少させました。さらに、シルキンの作品は外交贈答品としても利用され、ベルギー国王への贈呈など、国家間の重要な贈り物としても用いられました。このような要因が重なり、シルキンの作品は市場にほとんど出回らず、その希少価値を一層高めています。
抽象表現と制作数の少なさ
特にキャリア末期の作品(EMMAの展示で評価が高まっている物)は、シルキンが抽象表現を試みた数少ない作品群に属します。1950年代以降のこれらの作品は、制作数が限られていたことから、現在の市場でさらに希少価値を持っています。このような背景が、彼の作品の価値を一層高め、コレクターや美術館の間での需要をさらに押し上げています
ヒビや欠けもなく非常に良いコンディションです
h35 (cm)
1950s
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SKU: 20241001m1/117 カテゴリー: ALL ITEMS, フィギュア, Michael Schilkin
Michael Schilkin(1900-1962)
ロシア生まれのフィンランド陶芸家ミハエル・シルキンは、アラビア社の芸術部門で活動し、1937年のパリ万博で金賞を受賞。その独創的な表現により、世界的に広く認められるようになりました。彼の作品には、動物に宿るユーモアと生命力があふれ、温かさと遊び心が感じられます。陶芸の枠を超えた表現を追求した彼は、キャリア後期に抽象的なスタイルへと移行しました。その作品は国内外の美術館で広く展示され、近年、更に評価が高まっています。