Rut Bryk Tuhkavati
¥1,400,000
Rut Bryk(ルート・ブリュック)を代表する作品、幾何学模様の陶板です。
大学の建築学科の合格通知を受け取っていたほど、ルートの建築への想いは真摯なものでした。1950年代後半からルートは建築への想いを形にし始めます。様々な模様や釉薬で装飾したタイル作品の制作をスタートさせます。様々な幾何学体や植物模様を用いたタイルは一つでも美しいのですが、ルートはそれを組み合わせることで、集合としての新たな美を生み出します。徐々に集合、組み合わせへの美へと手法を変化させていくルートですが、こちらは幾何学体や植物模様、色、立体の組み合わせを一つの作品の中で行ったものと言えるでしょう。それ故に一つの作品が持つ美しさとしては、他を圧倒するものになっています。ただ、この作品以降は組み合わせを使った大型作品が増えていった為、僅かな期間しか作られませんでした。この作品も大きなサイズのものは非常に少なく希少なものとなっています。
細かなダメージのあるものが多い幾何学模様の陶板ですが、こちらは希少な完品です。ダメージが作品の評価、価格に大きく反映される幾何学模様の陶板ですので、コレクターの方におススメしたいコンディションの逸品です。
ルートはそれぞれの作品に異なる釉薬や文様を施し、一つとして同じ作品を作らなかったため、こちらも唯一のものとなります。
1960’s
32×32×4.5(cm)
『ルート・ブリュック 蝶の軌跡』 P172
『Rut Bryk』Espoo Museum of Modern Art P216
『Rut Bryk』DESUGNMUSEO P109
在庫1個
Rut Bryk(1916-1999)
ヘルシンキの中央芸術工芸学校で学んだ後、1940年代初頭からアラビア社アート部門で活動を始めました。版画の技法を応用した型の研究と釉薬による独自表現を確立し、1951年のミラノ・トリエンナーレでグランプリを受賞。国際的な注目を浴び、フィンランドを代表する陶芸作家のひとりとして知られるようになります。初期の具象的な陶板から、1960年代には無数のタイルを組み合わせた抽象的・立体的なモザイクへと移行。ヘルシンキ市庁舎やフィンランド銀行、大統領私邸に設置された大作は、迫力あるスケールと色彩表現で高い評価を得ました。版画の鋭い構成力や釉薬の奥行きを活かす作風は、北欧デザインに新風を吹き込み、陶芸の可能性を広げる礎となっています。