Stig Lindberg Bowl 16cm
¥75,000
Stig Lindberg(スティグ・リンドベリ)が自身の手で仕上げた一点もののスタジオ作品です。深い藍を基調に、群青から紫みを帯びた色の層がゆるやかに広がり、光を受ける角度によって微細な揺らぎが浮かび上がります。絵付けではなく釉薬そのものがつくり出す奥行きであり、偶然と制御の均衡のうちに生まれる、陶芸固有の表情をたたえています。
グスタフスベリ製陶所においてリンドベリは、食器から工芸品、そして芸術作品に至るまで幅広く手がけました。そのなかでスタジオ作品は、量産の機能美から一歩離れ、工房の内部で少量のみ試みられた実験的制作の結晶です。Wilhelm Kåge(ウィルヘルム・コーゲ)や Berndt Friberg(ベルント・フリーベリ)らが探求した釉薬世界に対する、リンドベリなりの応答とも言えるでしょう。
ただし彼の色彩表現は、他の巨匠たちのように緊張感を極限まで高めた硬質さには向かわず、装飾性と抑制のあいだに独自の均衡を保ちます。冷たさにも甘さにも偏らない、どちらともつかない中庸の気配。それがリンドベリの感性の根底にある柔軟さであり、このボウルにも静かに息づいています。
ヒビや欠けもなく良好なコンディションです。
φ16 H4.5(cm)
SKU: 20230518g1/47 カテゴリー: ALL ITEMS, Stig Lindberg, スタジオピース, Gustavsberg, アートボウル, Stig Lindberg Unique Piece タグ: art Brand: Gustavsberg
在庫1個
Stig Lindberg(1916-1982)
ストックホルムのKONSTFACK(現在の国立芸術工芸デザイン大学)を卒業後、1937年にGUSTAVSBERGの アートディレクターWILHELM KAGE(ウィルヘルム・コーゲ)に並外れた才能を見抜かれアシスタントとしてその輝かしいキャリアをスタート、1949年にWILHELM KAGEの後任アートディレクターとなり1980年まで所属。活躍の場は陶芸だけにとどまることなくテキスタイルや絵本のイラスト、トランプ、プラスティック製品、そして日本においては西武百貨店の包装紙をデザイン、1957年から1972年までは母校であるKONSTFACKの主任講師として指導にあたる等、幅広い分野で溢れんばかりの才能を発揮しました。独創的で遊び心溢れるデザインは現在もなお人々を魅了しています。