Stig Lindberg Bowl
¥120,000
黒釉の奥に淡く広がる赤褐色の揺らぎが、静かに光を吸い込みながら浮かび上がります。花や文様を思わせる線刻は絵付けではなく、焼成の過程で釉薬が変化しながら現れたもの。明瞭さよりも滲むような陰影を重んじ、器そのものに深い呼吸を与えています。
内側にはほとんど装飾を持たず、底に向かって黒が濃さを増していく。その対比が器の丸みを際立たせ、覗き込むと闇の中にかすかな光が宿るように見えます。表情は抑制されていますが、時間をかけて眺めるほどに質感の奥行きが染み込んできます。
スティグ・リンドベリの名はしばしば明るく軽快な作品と結びつけられます。しかしこのボウルのように、釉薬の陰影と抽象的な文様で静けさを描き出す感性こそ、彼の創作を美術の領域にまで押し上げた要因といえるでしょう。
派手さはありません。それでも視線を外すことができないのは、素材と火の作用を徹底して見つめた陶芸家としての確かな眼差しがあるからです。生活の器のかたちを保ちながら、同時にアート作品としての輝きを持つ稀有な一点です。
ヒビや欠けもなく良好なコンディションです。
φ21.5 H11.5(cm)
SKU: 20231019g1 カテゴリー: ALL ITEMS, Stig Lindberg, スタジオピース, Gustavsberg, アートボウル, Stig Lindberg Unique Piece Brand: Gustavsberg
在庫1個
Stig Lindberg(1916–1982)
Swedish designer, Gustavsberg 1937–1980. Art Director from 1949.
Works held by MoMA New York and Victoria & Albert Museum London.
無駄を削ぎ、正しく整えることが”美”とされた時代に、「遊び心」と「喜び」でスカンディナビアデザインを塗り替えたデザイナー。食卓から美術館まで、その仕事は今もスウェーデンの文化そのものです。






