Stig Lindberg Bowl 27cm
¥120,000
Stig Lindberg(スティグ・リンドベリ)の手によるスタジオ作品の一点物ボウルです。外側は落ち着いたオリーブ色に仕上げ、内側には深みのある焦茶に赤みが混じり、さらに斑点状の変化が浮かび上がっています。釉薬の濃淡が自然なグラデーションをつくり、使う角度や光の加減で表情を変えるのが特徴です。
リンドベリは、日常の器にも「アートの息遣い」を吹き込みたいと考えていました。このボウルも決して派手ではありませんが、単なる食器を超えて「見る楽しみ」と「使う喜び」を兼ね備えています。同時代に工房で生まれた量産品とは異なり、焼成の揺らぎや手仕事の痕跡がそのまま残っており、同じものは二つとありません。
Wilhelm Kåge や Berndt Friberg のように釉薬研究を突き詰めた陶芸家とは異なり、リンドベリのスタジオ作品には軽やかさと親しみが漂います。厳格さや重厚さではなく、むしろ人の暮らしに寄り添う「やさしい緊張感」が感じられるのです。
このような作品は、彼がアートと日常の境界を軽やかに行き来した証しであり、リンドベリの幅広い表現世界の一端を物語るものといえます。
ヒビや欠けもなく良好なコンディションです。
φ27 H4.5(cm)
在庫1個
Stig Lindberg(1916-1982)
ストックホルムのKONSTFACK(現在の国立芸術工芸デザイン大学)を卒業後、1937年にGUSTAVSBERGの アートディレクターWILHELM KAGE(ウィルヘルム・コーゲ)に並外れた才能を見抜かれアシスタントとしてその輝かしいキャリアをスタート、1949年にWILHELM KAGEの後任アートディレクターとなり1980年まで所属。活躍の場は陶芸だけにとどまることなくテキスタイルや絵本のイラスト、トランプ、プラスティック製品、そして日本においては西武百貨店の包装紙をデザイン、1957年から1972年までは母校であるKONSTFACKの主任講師として指導にあたる等、幅広い分野で溢れんばかりの才能を発揮しました。独創的で遊び心溢れるデザインは現在もなお人々を魅了しています。