Stig Lindberg Unique Piece
¥110,000
黒の釉薬に沈むように刻まれた文様は、光を受けると褐色に浮かび上がり、見る角度によって表情を変えます。装飾性を削ぎ落とした筒型のフォルムは簡素ですが、その静けさの中に確かな緊張感が宿っています。
スティグ・リンドベリといえば、色鮮やかな器や遊び心に満ちた造形が広く知られています。しかし、この花瓶のように深い色調と抽象的な文様を組み合わせた作品こそ、彼の幅の広さと美術家としての力量を示すものです。
釉薬に沈む模様は、絵付けではなく表面の刻みによって生まれたもの。そこに偶然と必然が交わり、器の肌理そのものが装飾となっています。華やかさよりもむしろ静謐さを重視し、陶という素材の重みを真正面から引き受けた造形です。
リンドベリが手がけた作品群を振り返ると、ポップで軽快な一面ばかりが語られがちです。けれど、この花瓶のように沈潜した美意識を湛えるものがあるからこそ、彼の名声は単なる流行に終わらず、今日まで評価を保ち続けていると言えるでしょう。
──華やかさに隠れて見落とされがちな、静かなリンドベリの顔。その一端を伝える貴重なユニークピースです。
ヒビや欠けもなく良好なコンディションです。
φ8 H21.5 (cm)
SKU: 20240605g1/114 カテゴリー: ALL ITEMS, Stig Lindberg, Gustavsberg, 北欧の花器, Stig Lindberg Unique Piece, All Uniquepiece
在庫1個
Stig Lindberg(1916–1982)
Swedish designer, Gustavsberg 1937–1980. Art Director from 1949.
Works held by MoMA New York and Victoria & Albert Museum London.
無駄を削ぎ、正しく整えることが”美”とされた時代に、「遊び心」と「喜び」でスカンディナビアデザインを塗り替えたデザイナー。食卓から美術館まで、その仕事は今もスウェーデンの文化そのものです。






