Sylvia Leuchovius Fjäril
¥85,000
濃い釉薬の地に、白と青の控えめな彩りが浮かび上がるプレート。中心に咲く小さな花を囲むように、四方には蝶が配置されています。羽根に散らされた粒は、輪郭を際立たせるものではなく、そっと気配を残すように置かれていて、どこか静かな動きを感じさせます。レウショヴィウスは、自然のかたちをそのまま写すのではなく、そこに感じた印象や記憶を作品に落とし込むような表現を大切にしていました。この作品でも、花や蝶といった身近なモチーフが、ごく簡潔なかたちで描かれていますが、その素朴さがかえって親しみやすく、穏やかな空気を生んでいます。暗い地の中でわずかに灯るような色の対比が、作品全体にやさしい光を与えています。静かな時間や懐かしい風景をふと思い出すような、そんな感覚をそっと引き出してくれる一枚です。
ヒビや欠けもなく良いコンディションです。
φ19 D3 (cm)
在庫1個
Sylvia Leuchovius (1915–2003)
土と釉薬を用いて「夢見るような世界」を表現した、スウェーデンを代表する陶芸家です。量産品の潮流とは異なる道を歩み、手仕事による一点制作にこだわり続けました。小さな粘土粒や花弁を貼り重ねる繊細なレリーフ技法と、透明感ある色彩が特徴です。その作品は「土と色彩による詩」と評され、今も静かな人気を集めています。
▶︎ レウショヴィウスの世界へ