Sylvia Leuchovius Small Bird
¥65,000
一見すると不思議な表情のこの作品。目のあたりからこぼれるように流れた釉薬が、そのまま涙にも見えます。でも不思議と、それが悲しさではなく、むしろやさしさや愛嬌のようなものとして立ち上がってきます。釉薬のかかり方ひとつで、表情はがらりと変わる――そんな偶然を、そのまま魅力として受け入れているような一枚です。整いすぎない形と、意図を超えた表情の出方。それこそがシルヴィア・レウショヴィウスの作品らしさなのかもしれません。釉薬のたまりやにじみが光を受けて、表面に微かな動きを生むため、日中のやわらかな自然光のなかで飾ると、この小さな顔はふと違った一面を見せてくれます。小ぶりながら、視線を受けとめるようにこちらを見つめ返してくる存在感があります。少しとぼけたような、けれどどこかこちらの気持ちをわかってくれているような、不思議な安心感を与えてくれる作品です。
ヒビや欠けもなく非常に良いコンディションです。
1960’s
H9.5 W11(cm)
在庫1個
Sylvia Leuchovius (1915–2003)
土と釉薬を用いて「夢見るような世界」を表現した、スウェーデンを代表する陶芸家です。量産品の潮流とは異なる道を歩み、手仕事による一点制作にこだわり続けました。小さな粘土粒や花弁を貼り重ねる繊細なレリーフ技法と、透明感ある色彩が特徴です。その作品は「土と色彩による詩」と評され、今も静かな人気を集めています。
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