Thomas Hellström
¥35,000
熊という動物の特徴を、できるだけシンプルな形に落とし込んだ1960年代の作品。丸くふくらんだ体に、お腹や足先、顔のまわりだけ釉薬をかけ分けることで、必要最小限の模様が与えられています。ディテールを描き込むのではなく、色とかたちの配置だけで「熊らしさ」を成立させているのが印象的です。耳の小ささ、鼻先の位置、足元の処理──どれも極端に簡略化されていながら、ちゃんと熊に見える。記号のような目や鼻も、どこか表情を感じさせ、愛らしさと造形のバランスが絶妙です。キャラクターのようにも見えますが、あくまで動物としての形をよく観察して、必要な部分だけを残すように作られているのがわかります。飾りを足すのではなく、そぎ落とすことで生まれた形。その潔さが、この作品の心地よさにつながっているように思います。見た目の可愛らしさの裏に、造形としての確かさがある一体です。
ヒビや欠けもなく良いコンディションです
H9.5 (cm)
1964
在庫1個
Thomas Hellström(1924-2006)
1924年にアメリカで生まれ、ヨーテボリで育つ。1950年からラートヴィクに居住。 1958年からNittsjöでデザイナー兼技術者として働く。
ヨーテボリの手工業協会、ストックホルムの技術学校美術コース、ストックホルムの高等芸術工業学校で学び、作品はダーラナ博物館、国立博物館、ローシュカ美術館などに収蔵されています。
銀行、教会、県庁など、公共装飾の制作も行っていたため、スウェーデンの様々な場所で彼の作品を見ることが出来ます。