Thomas Hellström
¥55,000
動物の特徴をうまく抽出し、シンプルなフォルムに落とし込んだ1962年の作品。丸みを帯びた胴体に対して、すっと立った耳と巻いたしっぽ。最小限のかたちだけで「ネコらしさ」がしっかり伝わってくる造形です。顔立ちも装飾に頼らず、線で描かれた目と鼻だけで、やわらかく親しみのある表情に仕上がっています。釉薬による三角模様や尾の先の白も、必要な情報だけを置いたようなバランスで、全体の動きとよく合っています。同時期に制作された熊の作品と同じシリーズで、共通しているのは、どれも細部を描き込むのではなく、色とかたちを整理して、動物の印象を残していること。記号的でありながら、しっかりと動物の気配が感じられる仕上がりです。見た目の可愛らしさだけでなく、作りとしての完成度があるシリーズ。家庭で親しまれた存在でありながら、今見ると改めてよくできていると思わせる一体です。
ヒビや欠けもなく良好なコンディションです。
H14.5 W12 (cm)
1962
在庫1個
Thomas Hellström(1924-2006)
1924年にアメリカで生まれ、ヨーテボリで育つ。1950年からラートヴィクに居住。 1958年からNittsjöでデザイナー兼技術者として働く。
ヨーテボリの手工業協会、ストックホルムの技術学校美術コース、ストックホルムの高等芸術工業学校で学び、作品はダーラナ博物館、国立博物館、ローシュカ美術館などに収蔵されています。
銀行、教会、県庁など、公共装飾の制作も行っていたため、スウェーデンの様々な場所で彼の作品を見ることが出来ます。