Sylvia Leuchovius Fagel

¥95,000

深く艶を湛えたブルーが目を引く鳥のオブジェ。シルヴィアのスタジオ作品としては珍しい大型タイプです。

在庫1個


Sylvia Leuchovius Fagel

── 艶やかな青に包まれた、シンプルかつ印象的な鳥のかたち。滑らかな質感と絶妙なバランスが、見る者の視線を自然に導きます。

1. 艶やかな青の静けさに包まれた、鳥のフォルム

丸みを帯びた青のかたちに、静かな存在感が宿る。
艶やかな釉薬に覆われた鳥のフォルムは、単純化された線の中に、穏やかなリズムと柔らかな光の揺らぎを湛えています。装飾を排した構成が、かえって釉の奥行きを際立たせ、レウショヴィウスの静謐な美意識を端的に示しています。

2. 見る角度で移ろう釉薬の表情

透明感のあるブルーは、見る角度や光の具合によって、青から藍、時に黒にまで表情を変えます。釉薬が厚くかかった箇所では光を湛え、やや薄い部分では素地の起伏が透けて見える。その揺らぎが、単色でありながら多層的な深みを与えています。

3. 張りのあるかたちと、静かな均衡

滑らかに引かれた首のラインと、やや突き出たくちばし。尾部には直線的に立ち上がる尾の造形があり、胴体の柔らかな丸みとの対比によって、全体に張りのあるリズムを生み出しています。装飾性に頼らず、形そのものの美しさで魅せる造形です。

4. 一体感のある仕上がり

成形はおそらく鋳込みか手捻りによるものですが、継ぎ目は感じさせず、表面はまるで吹きガラスのような一体感を保っています。高温焼成による釉薬の密着と、丁寧な磨き上げが、まるで磁器のような光沢を生み出しています。

5. 繰り返し探求された鳥というモチーフ

鳥はレウショヴィウスが繰り返し手がけた主題のひとつであり、本作もその中に位置づけられます。なかでもこのタイプは、粒状装飾や細かなレリーフを施すことなく、かたちと釉薬の響き合いによって成立している点が特徴的です。表現を絞り込むことで、モチーフの造形的な側面がより鮮明に浮かび上がります。

6. 緊張と静けさを併せ持つ存在

小さな置物のような愛らしさではなく、本作には彫刻としての静かな重みがあります。輪郭を誇張せず、釉薬の深みと形の張りによって、見る者の意識を自然と引き寄せる造形。青のなかに静けさと緊張感が同居し、レウショヴィウスならではの繊細なバランス感覚が感じられます。

Designer

Sylvia Leuchovius

サイズ

φ11 H12 (cm)

コンディション

Excellent

サイン・背面情報

手描きサインあり

Sylvia Leuchovius (1915–2003)

土と釉薬を用いて「夢見るような世界」を表現した、スウェーデンを代表する陶芸家です。量産品の潮流とは異なる道を歩み、手仕事による一点制作にこだわり続けました。小さな粘土粒や花弁を貼り重ねる繊細なレリーフ技法と、透明感ある色彩が特徴です。その作品は「土と色彩による詩」と評され、今も静かな人気を集めています。

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