Sylvia Leuchovius《陶板作品》
深い森の奥で、小さな花が静かに揺れている——
そんな景色が、この陶板の中に息づいています。
土と火が描いた、静かな庭
深く澄んだ青緑色の中に、白や赤紫の小さな点々が浮かんでいます。よく見ると、それは花であり、葉であり、弧を描く茎のかたち。けれどこれは、絵筆で描かれたものではありません。
レウショビウスは、小さな粘土の粒をひとつひとつ手で丸め、表面にそっと置いていきました。その粒が釉薬に包まれ、窯の熱を受けて、ふわりと溶け込むように仕上がっています。だから線ではなく、点。くっきりではなく、にじむようなやわらかさ。
絵画とも違う、写真とも違う。焼き物だからこそ生まれる、不思議な奥行きがここにあります。
見つめるほど、深くなる色
この青緑色は、絵の具では出せない色です。釉薬が高温の窯の中で溶けて、流れて、冷めていく。その過程で初めて生まれる、一点だけの色合い。
まるで夜明け前の森を覗き込んでいるような、静けさと深さ。見つめていると、ふっと気持ちが遠くへ連れていかれるような感覚があります。
「窓」のような構成
白い点が額縁のように四角く並び、その内側に植物たちの世界が広がっています。絵の中にもうひとつ絵がある、そんな入れ子のような構成。
平らな板なのに、どこか奥行きを感じるのは、この「窓」のおかげかもしれません。壁に飾ると、まるでそこだけ別の空間に繋がっているような、静かな存在感を放ちます。
日々のなかで変わる表情
派手に主張するのではなく、静かにそこにある。でも、ふと目をやると、昨日とは違う表情に気づいたりする。朝の光、夕暮れの影、季節の移ろい——この陶板は、そのときどきで少しずつ違った顔を見せてくれます。
| コンディション | Excellent |
|---|---|
| Designer | Sylvia Leuchovius |
| サイズ | W41.5×46 (cm) |
| サイン・背面情報 | 手描きサインあり |
Sylvia Leuchovius (1915–2003)
土と釉薬を用いて「夢見るような世界」を表現した、スウェーデンを代表する陶芸家です。量産品の潮流とは異なる道を歩み、手仕事による一点制作にこだわり続けました。小さな粘土粒や花弁を貼り重ねる繊細なレリーフ技法と、透明感ある色彩が特徴です。その作品は「土と色彩による詩」と評され、今も静かな人気を集めています。
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