Åke Holm Bowl 19.5cm

Åke Holm(オーケ・ホルム)が手がけた、端正なフォルムが美しい鉢です。彼はそのキャリアの大部分を、旧約聖書を主題とする力強い彫刻作品の制作に捧げましたが、本作のように古典的な器も少数ながら制作し、そこでは彫刻とは異なる静謐な表現を追求しました。

この作品は、彼が研究した東洋陶磁を思わせる、薄く挽き上げられた清らかな造形が特徴です。器全体を覆うのは、落ち着いた茶系のマット釉であり、その均質で穏やかな表情は、キャリア晩年の作風を示唆しています。

1969年に長年利用してきたルールファブリーケン（Rörfabriken）の窯が閉鎖されると、彼は自身の電気窯での制作へと移行しました。これにより、彼の釉薬はそれまでの複雑で多色的なものから、より単色に近く、抑制の効いた表現へと変化しました。本作は、その変化を静かに物語る、ホルムの芸術における思慮深い一面を伝える一点です。

ヒビや欠けもなく良いコンディションです。

φ19.5 h7 (cm)

オーケ・ホルムの作品を年代順に把握することはかなり難しいです。
彼の作品は日付けがつけられておらず、彼自身も制作年代について具体的なことを語るのを避けるためです。
シリーズごとにおおよその年代は分かりますが、後年に過去の手法を用いて作ることもあるため、特定は困難です。