シルヴィア・レウショヴィウス 小さな鳥 試作

¥275,000 税込
Rörstrand(ロールストランド)
年代
1960年代
寸法
W10 H8.5 cm
手描きサインあり
状態
Excellent
No. 46270

一点もの

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── 愛らしいフォルムに、柔らかくにじむ青と茶の釉調が重なる一品。量産モデルの原型ともいえる試作で、手仕事ならではの温もりとアート性が共存しています。

1. 色彩のにじみが語る静けさ

白と藍が溶け合うような、静けさをたたえた佇まい。

くちばしから背にかけて、藍と焦げ茶が細く流れ、釉薬の偶発的な揺らぎが穏やかな陰影を生み出しています。全体はやわらかく丸い形状で、足元にはほんのりと土の素地が見え隠れする部分も。見る角度により色の深度が変化し、素朴ながらも詩的な印象を残します。

2. 表情を刻む釉薬のゆらぎ

背中から尾にかけては、藍が濃く集まり、点描のような微細な釉調の濃淡が現れています。部分的に粒子感のあるマットな質感があらわれ、焼成時の温度変化や釉薬の厚みがもたらした、偶然と意図の交錯が見て取れます。

3. 描くのではなく、形で語る

表面には筆では描けない、焼き物特有の揺らぎがあり、特にくちばしのあたりは釉薬がわずかに流れ、動きを感じさせます。小さな目や尾羽は別パーツのように成形され、彩色ではなく立体によってディテールが強調されているのが特徴です。

4. 未完成という完成

この作品は、のちに量産されたシリーズに通じる造形を持ちながら、まだ完成形に至る前の一点としてつくられました。尾のかたちや釉薬の重なり、わずかな非対称──細部には、選びきれなかった可能性がそっと残されています。作家が何を残し、何を手放すか。その静かな選択の手前にある揺らぎが、この試作ならではの魅力となって表れています。

5. 目を凝らして見る存在感

手のひらにのるほどの小さな作品ながら、そこには焼き物という素材のすべてが詰め込まれています。釉薬の流れ、かたちの穏やかさ、そして量産品にはない密度──目を凝らすことで、その静かな抒情が確かに伝わってきます。

Sylvia Leuchovius(1915–2003)

シルヴィア・レウショヴィウスは、スウェーデンの窯ロールストランドで、1949年から1976年まで陶の作品を作りました。雇われたのは食器の模様を作るためでしたが、窯で主に作ったのは、一点物の陶板と彫刻です。

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